ビジュアルファシリテーターの阿呆な研究

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リクルートライフスタイルのUXデザイン #RLSUX にいってきた(1)

久々にUX系セミナーのまとめです。
参加したのは「リクルートライフスタイルのUXデザイン」というセミナー。
弊社と同じくデータドリブンな会社のリクルートライフスタイルさんが、どんな風にUXUIデザインを進めるのかが気になっていたので、セミナー知ったときにはるんるん気分でした。

ちなみに。私と同様の人が多かったようで、この勉強会たいそうな人気!参加者50人に104人が応募されていました。しかも私は申し込みが最後から2番目・・・という状態だったので半ば諦めてたのですが。運良く抽選にあたり参加することができました。ありがたやありがたや。なむなむ。

リクルートライフスタイルの UIUXチームについて

まず登壇されたのは、じゃらんを担当されている筒井康浩氏。まず、「なぜUIUXチームがうまれたか」について説明いただきました。

UXUIチームを発足したのは、知見の共有をしたかったから。複数サービス運営している中、複数のサービスで同じようなテストをしている状況だった。
・サービスによってはほしいときにほしい人材がいないというような偏りが生じてた。スペシャリストを必要な期間に配置するという体制にした。

そうそう、、同じようなテストを社内でやってるってあるんだよね。。知見の共有大事。
UIUXチームの関わりかたについても伺えました。

・プロジェクトの進め方はウォーターフォール型。
・チーム体制 は以下。
「プロデューサー」・・・サービス選任。事業調整、開発決済、KPI設定をする
「UIUXチームメンバー」・・・UX設計、IA設計、UI設計制作(デザイナー IA フロントエンジニア兼務もあり)
「開発担当者(内制外制両方あり)」

直近のリリースサービス例


じゃらんゴルフ
UUIUXチームとして以下を担当されたそうです。

UX設計
・プロダクトコンセプト言語化
・ターゲットユーザー設定
・デザインのトーン&マナー決定
・ロゴディレクション

IA設計
・サイトストラクチャ
・導線設計
・競合分析

UI設計
・デザイン進行
・コーディング進行

特徴があるなあとかんじたのは、リクルートライフスタイルデザインの「ユーザー」についての認識。企業と消費者をつなぐというミッションがあらわれており、ああリクルートだなあと思いました。

・ユーザーって誰?
カスタマー クライアント 二種類のユーザーとむきあう。カスタマーの利便性をたかめ、アクションを最大化することで、クライアントに効果を返すのがミッション。本の時代でも、webサービスの時代になっても、分社化してもそれはかわらない。

リクルートの特徴のひとつは、データドリブンなとこ。ただ、データドリブンであることで見える面も、見落とす面もあったとのことでした。

例:じゃらん お気に入り機能についての歴史

・2009年数字に基づいて考えてた。
セッションかわるたびにログイン必要で、離脱が発生。
閲覧履歴 お気に入りと閲覧履歴が連携されてなかった。
→ログインをなくして、お気に入りと閲覧履歴を統合 閲覧履歴からお気に入りにつっこめるように。お気に入りページからの予約が1.3倍に。年間予約件数数万件アップとなった。
・2012年、スマホでもお気に入り機能を実装。
スマホでも同等のお気に入り機能を実装した。でもなぜかPCなみのCVRにあがらなかった。
なんで??と疑問に思い、社内ユーザーにヒアリングをしてみたところ。
検索するときはスマホ、予約するときはPCというカスタマーが多かった。
スマホでPCなみのCVR保つのはむずかしいと痛感した。
・旅行は、決めるのは一人ではないことが多い。移動等の隙間時間で利用することもある。予約のさいには大きな画面で確認したい。カスタマーは利用シーンに応じて、最適なデバイスを使っている。スマホだと情報省略があるんじゃないかという不安もユーザーがもつことも。
・「ユーザーはスマホで予約を必ずしもしたいわけではない。」という現状をふまえ、デバイスに関係なく利用できるように変更。マルチデバイスをまたいで利用できるようにした。
カスタマーコンテキスとをしることが必要。

そうなのそうなのーーー!
スマホ担当ここ2年くらいやってて思うのだけど、本当にユーザーはスマホで決済は難しいと思う。過去に私がユーザーインタビューに参加した際には、PCでカード情報をいれてくれるユーザーでさえも、スマホでは躊躇するという意見もいただいたこともあった。

個人情報入力するのがスマホのが手間、という操作性の問題をさておいても。PCとスマホは使うコンテキストが違うから、そのコンテキストにあったサービスを考える必要があると私も痛感している。
まさに旅行なら、自分で時間をかけて検討したり、他人と検討するシチュエーションは相応にあるから、マルチデバイスをふまえたトータルでの設計は必須だと思う。

マルチでバイスをふまえた設計=レスポンシブ化、を必ずしも示す訳ではないので要注意。
電車で旅行の価格比較をしていたユーザーが、その後家のPC(予約前提)で比較したものを再現しやすくするにはどうすればいいか?とかを考えるのがUXデザインだ。

「カスタマーのコンテキストを理解し、よりよいユーザビリティの実現をはかりビジネスの成功を目指す。これが、リクルートライフスタイルのUXデザイン。」

同じサービス運営者として、すごくこの言葉がしっくりときました。

大型プロジェクトを成功させるUXデザイン


次に登壇されたのは、鹿毛雄一郎氏。
リクルートライフスタイルの新規大規模開発案件に携わるなかで得た、大規模な開発プロジェクトを成功させた手法についての学びでした。

・成功とは
ビジネス上の成功:売り上げ目標達成 開発達成
ユーザー:サービスをまよわず使える 何回もつかってくれる
・大規模な新規開発案件について
重要度は社内で最高。要件定義からHTML納品まで実施。画面数=動的なの400まい。IA UI 制作 三人で行った。

3人で400枚のテンプレート・・・
想像を絶するボリュームです。ぐえー。
そのボリュームをクリアしてくには、以下4つのことが大切だったとのこと。
・関係者全員の視線をそろえる
・全体を常に俯瞰することを忘れない。
・作ることとかんがえることを平行して行う作りながら考える。
・ユーザーにさわってもらう。

詳しくいっこいっこみていくと。

関係者全員の視線をそろえる

・プロジェクトのはじめ、UIUXレビューの会をつねに実施してた。
UIUXに関する方針や決定事項の合意をし、観点を絞りながら進めた。
メンバー:プロデューサー、チームリーダー、マネージャー、UIUXチームメンバー、カスタマーサポート、メンバー 第三者の視点からチェック。
プロジェクトの初期は頻度高く実施 関係者の目線がぶれないように。週2回やってた。
・コンセプト ターゲットユーザーの明文化
ユーザー像がばらばらだと意見がまとまらない。
同一のコンセプト、ユーザー像を共有することで、下流行程でぶれなくなる。コンセプト、市場調査、競合との比較、SWOT分析で分析 カスタマーアンケートをとり、競合についてアンケートをとっていた。それをみて、サービスのありたい姿、コンセプトを作成について意見、ターゲットのユーザー像とともに共通の認識にした。

全体を常に俯瞰することを忘れない。

・作ることとかんがえることを平行して行う作りながら考える。
早期からのプロトタイピングをした。HTMLでプロトタイプ をとにかく作った
プロトタイプといっても、ペーパープロトタイピング、WF,HTMLプロトタイプ、デザインプロトがあるけど、今回はHTMLをいきなりつくった。
・400枚3人五ヶ月という状況だったので、WFは作らなかった
動かしながら検討できるので、全体を俯瞰できる。リンクをつけながらみれた。

作ることとかんがえることを平行して行う作りながら考える。

・とんまな、デザインの反映を素早く案会も行うことができる。作りながら検討することで得られるアイディアがある
・スクロール時の挙動等、今までチャレンジしてこなかったUIも動くものをみせると合意形成がスムーズになる。他でやってないことやるとしたらイメージつけやすい
・役割分担:あらかじめ制作のルールをきめて、ひたすら組み合わせてページを量産する。
みだしはこのコード、ボタンはこれ、とか。

ユーザーテストの実施

・実際のターゲットユーザーにつかってもらう。
既存のサービス(じゃらんやホットペッパー)を利用していてる人たちが新規のサービスに必要な差分情報入力するにはどうすればいいか。
・テストシナリオ
はじめは縦積みの一覧しか準備してなかったが、ほとんどのテストユーザーが写真での一覧をさがしていた。実装優先度がひくかったタイル型配置だったが、ユーザーのニーズをふまえたうえで優先順位をあげた。そしてタイル型と縦積みがた両方とも実装、切り替えられるようにした。

お話をきいてて。「つくりながらああしよう、こうしよう」というのは本当にでてくるのよねえ、、と共感しました。
同時に、村上福之氏のソーシャルもうええねん (Nanaブックス)
を思い出しました。

プログラミング大好きな村上氏が大卒後入社した会社で、遅々として進まない開発に業を煮やし、自分でプリンタードライバーをつくってしまったときの話です。
莫大な予算をかけて発注していたものを新人がつくってしまうという異常事態。当然上司は困惑しました。でも、主任技師がこういうのです。

「動いてるソースコードが、一番正しい」

と。

ただ動いているものを見せれば、大人は納得するのだとわかりました。今まで、いろいろなパワーポイント書類を作ってはボツになっていたのですが、無駄な紙切れよりも、実際に動いているものを見せる方が相手も納得してくれます。

特に、スマホやガラケーサイト。個人的にはワイヤーフレームかくより、コーディングして実機で確認しながらつくるのが、一番感覚的に使いやすいものをつくれると思います。

私は残念ながら、鹿毛氏のように手を動かせる人間ではありません。ときどき、施策のスピード&品質担保のために、本気でちゃんとHTML5 CSS3いちからくめるようにならないといけないんじゃないかと懊悩しています。ぐぬぬぬぬー。反面、本職のUIUX、PDCAぐーるぐるをまわしまくるのに分析の時間が当然必要だから、制作工数を自分でさくべきか否かは迷わしいところでもあります。。

というわけで記事もおっそろしく長くなりそう&クッソ眠いので、この記事は次回につづきます。
つづきは、セミナー後半の「UXデザインを活用したスマートフォン開発のクオリティ改善」「リクルートライフスタイルが考えるUXデザイン まとめ」です。ううーーーもりもりすぎて一回にまとめきれないのがもどかしい!

3/11追記:つづきかきましたー!
リクルートライフスタイルのUXデザイン #RLSUX にいってきた(2)

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