ビジュアルファシリテーターの阿呆な研究

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DevLOVE現場甲子園2014 東日本大会で登壇してきました&創トラックまとめ #devlove #devlove創

devlove_logoDevLOVE現場甲子園2014 東日本大会に、スピーカーとして参加してきました!

私がしゃべったのは、「創トラック」という、サービス企画(UXデザイン/サービス開発/要求開発/スタートアップ)の部門。
サービス開発現場でデザインしている人にとっては、共感したり、改めて学んだりしたり、よだれが止まらない内容でした。
というわけで自分なりにまとめようと思います。

創トラック 登壇者一覧

エンジニアさんがたくさんのDevLOVEにおいて、創トラックはデザイン関係、プロダクトオーナー系の方ばかりという異色のパートでした。

異色といえばもう一つ。隊トラックのスピーカーさんからは「創トラック女子率高くて驚いた」といわれました。。
創トラックのスピーカー男女率は1:1。これはデザインの現場でよくある比率なので、私はすごく普通の光景にとらえていたのですが、エンジニアさんから見ると女子率高くて驚きなのかもしれません…

(株)ウィンクル CEO 武地 実 選手
「ニートでハッカソンに出てクラウドファンディングを実施してその後悩んだ末にハードウェアスタートアップに無謀な挑戦をすることになった26歳男の1年間」
黒田樹( @i2key) 選手
「社内スタートアップでの組織の成長に伴い発生する痛みとその解決策(スクラム&顧客開発&リーンスタートアップ導入)について」
篠原徳隆 選手
「手探りで始めた企業内スタートアップで嵌まったことEX」
川瀬浩也 選手
「アジャイル開発の外側としての顧客開発。〜僕はプロダクトオーナーなんて出来ない〜」
上平崇仁 選手
「文化が混じり合う”潮目”こそ,デザインの問題が渦巻いている。と叫んでそこに身を投げた男がいた」
福岡曜 選手
「デザイナーの「居心地」から見たスタートアップ -スタートアップがデザイナーの参画を得たい時のために-」
落合恭子 選手
「スカンクワークだからこそ必要! 誰でもグロースハッカーになる3つのこと」
山岸ひとみ 選手
「ワークショップデザインに期待されるもの」
和田あずみ 選手
「失敗上等!世にも奇妙な「旅行会社でのUXデザイン 裏話」」
秋葉ちひろ 選手
「デザイナーも、アジャイル開発に挑みたい!(希望)」

創トラック 発表内容

ここからは、私がとったノートと一緒にふりかえります。
ビジュアルノートテイキングは復習時に最適なので、ずっとごりごり書いておりました。
(でも細々ミスってるとこあったらごめんなさい)

(株)ウィンクル CEO 武地 実 選手

「ニートでハッカソンに出てクラウドファンディングを実施してその後悩んだ末にハードウェアスタートアップに無謀な挑戦をすることになった26歳男の1年間」
モノをつくるのではなく、「自分らしい物語を創ろう」という部分、とても共感しました。
自分がこういう経験をもっているからこそこれをやる、という原体験をもっている人は共感よぶし、とても強いと思うのです。

ちなみに、原体験の人生に与える影響はすさまじくでかいです。
そのでかさについては原体験がもたらすもの(またはNGO/NPO就職を断念しweb業界に入った理由)について語っています。
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黒田樹( @i2key) 選手

「社内スタートアップでの組織の成長に伴い発生する痛みとその解決策(スクラム&顧客開発&リーンスタートアップ導入)について」
アプリがヒットしてゆえ増員→カオスになった組織がどう仕組み化され、成長をしていくかというお話でした。
面白すぎて20分じゃぜんぜん聞き足りませぬがな!!細かい施策の話までもっとききたくてうずうずしました。

印象的だったのは、エンジニアの生き方についての言及。
「今までは開発をやりきることがエンジニアの価値だった。けど、これからは仮説検証のサイクルを早くすること、ビジネスの成長にコミットすること。」これってデザインにも当てはまってくるのでは、と思うのです。
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篠原徳隆 選手

「手探りで始めた企業内スタートアップで嵌まったことEX」
「手探りで始めた企業内スタートアップで嵌まったこと」 in DevLOVEの続編です。
「コンテンツクオリティが体験を左右する」というサービスの質は、私が担当する旅行系ECも同じ。
コンテンツクオリティをあげることの難しさの話、ない状態での検証にどれほどの意味があるのか?という疑問の話は、人ごととはとても思えませんでした。
手の届く範囲からデータの質をあげる、というとこも同じで励まされました。
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スライドはこちら。

川瀬浩也 選手

「アジャイル開発の外側としての顧客開発。〜僕はプロダクトオーナーなんて出来ない〜」
スクラムにおけるプロダクトオーナーの存在について、考えさせられました。
プロダクトオーナーは神様じゃないし、エンジニアに指示だす王様でもない。
ユーザーとエンジニアをつなぐ場をつくることで、創るものをクリアに見せる役目であると。

最後に「ユーザーとエンジニアがつなぐ場ができると、プロダクトバックログが増えそうだけど、実は減る」という話がでましたが。
これは私も身をもって実感しています。
みんなが思い描く勝手なゴムのユーザーではなく、リアルなユーザーを見ることで意思統一ができるんですよね。
その場でプレゼンをきいていた黒田さんも「エビデンスなきプロダクトバックログがなくなる」と話されていました。

エビデンスなきプロダクトバックログ(施策)は地獄の火の中に投げ込まれるべきだと思います。うふふ。

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上平崇仁 選手

「文化が混じり合う”潮目”こそ,デザインの問題が渦巻いている。と叫んでそこに身を投げた男がいた」
専修大学、産技大人間中心デザイン履修証明プログラム等にて教育活動をされている上平先生がDevLOVEに!!
「文化がまじりあう”潮目”に魚が集まるのは、もともといたからではない。深海から湧きあがる湧昇流にはプランクトンがおり、そこに小魚、魚が集まるから。ここはよく魚がとれる。」という潮目の話が気になりました。
デザインの現場における湧昇流は、どうやってみつけるんだろう?と。

オブザベーション(観察)が大事なんだろうなとは思うものの。湧昇流を見つけられる人と見つけられない人の差もあるなと感じるのです。
ある場所で湧昇流を一度見つけると「なぜここで湧昇流はおきてるの?」「じゃあここに類する湧昇流にはどうすれば出会える?」という問いに持っていくことができるのですが…気づけないとスルーしちゃって機会損失になりかねません。
ここは産技大人間中心デザイン履修証明プログラムで、引き続き考えていきたいなーと思います。

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福岡曜 選手

「デザイナーの「居心地」から見たスタートアップ -スタートアップがデザイナーの参画を得たい時のために-」
デザイナー採用について、私とすごく近い切り口でみられてるなと共感しまくりな話でした。
よくある「UIデザイナー」「UXデザイナー」って職種の募集ですが。
その会社で、しかも今のステージで求められてる業務が何かって、いざ面接してみないとわからないし、というか面接してもわからないことも多々あるのですよまじでーーーーー!ぐあー!(そして落とされる)

反面、「UIデザイナー」というワードを求人する側が用いたい理由として、「絞ったら人がこないんじゃないか」と不安に思うんじゃないのかな・・・・とも思っていました。
ターゲットをしぼるべきサービスでターゲットをしぼらず方策を考えるのと同義だから、絞るべきなんですけどね。
でもなかなかしぼれない。
なんでそうなってるのか、採用の前線にたっている人にももっと意見をきいてみたいところです。

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落合恭子 選手

「スカンクワークだからこそ必要! 誰でもグロースハッカーになる3つのこと」
「職域が異なるからって、(エンジニアにまかせてるエンジニアリング以外は)サービス終着点にむけてやらなくていいことは何もない」そう強くいいきる姿が印象的でした。

きっとそんな姿が、エンジニアさんのモチベーションも保つ秘訣になっているんだろうなとは思うものの。
今後、マネタイズしていく中で受託業務と自社開発ってどうやって「工数」をとっていくんだろう?という点が気になりました。
サービスがスケールして気持ちだけで続ける、という許容範囲を超えた時、きっと組織も大きく変わると思うのです。
続編をもし話す機会があったらぜひ伺ってみたいなと思います。

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山岸ひとみ 選手

「ワークショップデザインに期待されるもの」
合意形成と納得解を得るためには、ワークショップが有効な手となるというお話でした。
ここ、私が考えてる会議デザインにも通ずる部分で、会議のデザインが成果の質にも繋がるなと痛感しています。
山岸さんが指摘したのと同様、いい会議デザインは『お互いの力をひきだしあう関係構築』ができるし、いけてない会議デザインだと関係崩壊します…

ワークショップを構築するために、UXデザイン分野手法が応用できるという点、「体験を重視する」という学び方のワークショップにはぴったりはまってわかりやすいです。
音楽分野のような芸術分野、まちづくり系など、ワークショップ―新しい学びと創造の場 (岩波新書)で分類されるさまざまなワークショップ、一体どのようにつくられているのかなあ。。と思いを馳せまくりました。

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スライドはこちら。

ワークショップデザインに期待されるもの from Hitomi Yamagishi

秋葉ちひろ 選手

「デザイナーも、アジャイル開発に挑みたい!(希望)」
秋葉さんとは、「デザイナーへどうプロジェクトを発注すべきか」という点についてランチを以前して、お互い別々の立場から考えあっていました。

私はまさに秋葉さんのいうところの『自社サービス』側の人間で、大量の会議で都度の意思決定をしている状況ゆえ「外部デザイナーの参加は週一のMTGだと無理」という秋葉さんの意見に大いに賛同します。
だからこそ、その会議にがんがん一緒に入ってもらえると嬉しいものの。
「相当な時間をその案件にとる必要がある」という受託デザイナー側の状況も理解できるのです。

その状況下において、どのように仕事の相談を開始すればいいのか?(時期がはやければいい?)
契約形態はどうすればお互い動きやすい体制になれる?

「納品」をなくせばうまくいく』を読んで、私もヒントをつかみたいなと思いました。

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まとめ:デザインの現場にいる者が『潮目』に飛びこむということ

今回のDevLOVE現場甲子園の中で特に響いたワードは、上平先生のおっしゃる『潮目』

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冒頭のLTにて、原田 巌さんが「質がうまれるのは、各人の関心領域が重なったところ」と話されていましたが、まさにここが『潮目』です。
『潮目』は、時に流れが速く、摩擦がおきやすく、事故る可能性も高い場所です。しかし、同時に人が集い、豊かなアイディアが生まれる場所という側面も持ちます。

産業の発達により、遠くなってしまったユーザーと作り手の距離。この距離をなんとか縮めて、人にあう機械を作っていこう
人間中心デザイン入門 -産業技術大学院大学 「人間中心デザイン」

そんな動きがシステム開発で顕著になり、開発体制もウォーターフォール式からアジャイル式になっていきました。
当然、デザインも同じ流れが発生しているものの。
秋葉さんの指摘どおり、デザインの現場はウォーターフォールからまだぬけだせていない、『パーツ作り職人』が多いのも事実です。(決して『パーツ作り職人』がいけないわけではないですが)

要因の一つとして、クライアントのことを知るための工数が相応に必要、というのはあるものの。
エンジニアの仕様把握のほうがより難解な気もしますので決定要因ではなさそうです。

決定要因たりえるものを個人に帰するとしたら「『潮目』に飛びこめる体力・思考力の有無」ではないでしょうか。
当然、組織に帰するとしたら「『潮目』に飛びこめる組織体制・契約の有無」。

もちろんデザイン系やってる人みんなに「『潮目』に飛び込め」とはいいませんが。
海外との競合にともなう単価下落、bootstrap等のデザイン知識なくとも扱えるUI生成ツールの存在、webデザイン業界そのものの参入障壁の低さを考えると、個人にせよ組織にせよたくさんの魚がいる「『潮目』に飛び込む」は生存戦略としてまっとうだと思うのです。

DevLOVE甲子園に参加して「webデザインのワークフローはもっと変わっていける」と感じ、わくわくしてしまいました♪

最後に自分のスライド

私は人間中心デザイン学ぶものの、現場のドロドロを100%掃除しきれるとは到底思っていません。
自分一人の理想の何かを求めるのではなく、常に変化してる生き物のようなサービス運営の現場でデザインをしていたい。
そのドロドロした現場を秩序だったものに変え続ける手法としての、人間中心デザインだと思うのです。

あと、「必要悪と共存するためのデザイン」についてはもっと話したかったなー。
たぶん20分~30分はそのテーマで話せるので、どこかで話せたらいいなと思っています(笑)

失敗上等!世にも奇妙な「旅行会社でのUXデザイン 裏話」 #devlove #devlove創 from Azumi Wada
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