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デザイン解析論(さぐるデザイン解析) -産業技術大学院大学 「人間中心デザイン」

img_r産業技術大学院大学、人間中心デザイン履修証明プログラムの復習レポ第二弾「デザイン解析論」です。
(ほんとはデザイン操作論の授業があったのだけど、DevLoveに参加して欠席したので書けてない)

デザイン解析論は、「さぐるデザイン解析」と「つくるデザイン解析」に分かれており、今回学んだのは「さぐるデザイン解析」。
「さぐるデザイン解析」では、対応分析法(コレスポンデンス分析)という手法を用い、印象評価を行います。

印象評価には、以下の工程がありますが・・・2日でこれをやるという超ヘビーな授業でした。
担当された井ノ上先生みずから「鬼畜の所業」というくらい(笑)

  1. 質問票の設計
  2. データの集計
  3. ソフトウェアを用いた解析
  4. 解析結果の報告

今回もやっぱり、消化できってはないですが。
もぐもぐ反芻するために気になったトピックについて記録を残していきます。

デザイン解析について

デザイン解析をなぜ行うのか?という問いそのものが印象的でした。

  • 分けることはわかることの第一歩である。
  • デザイン案や試料、見本を自身の主観に基づいて分類しても、何らかの知見や気づきを得ることはできる。
    でも、あなたは、いまどのような基準や尺度でデザイン案を分類したか説明できますか?
    また、デザイン案の数がとても多いときでも、同じように分類できますか?再現性はありますか?
    分類することで、何か価値のある知見を得られましたか?
  • 統計解析的な手続きを用いると、これらの問題を解決できる可能性がある。

デキるデザイナーさんなら、積み重ねた経験に基づいた即座の判断で、デザインに関する意思決定ができると思います。
統計学的なデザイン解析作業は、「そのデキる人の頭の中を体系化し、他の人でも・大量のデザインでも迅速に再現できる可能性がある」とのこと。

グラフィックデザイン、情報設計のようなデザイン作業は、ともすれば『感性』という漠然とした何かにみられがちです。
しかし、『感性』とみられるものは、分解すると、細かい技術・知識・経験の積み上げという側面もあります。
その積み上げが膨大で、過程が複雑だからこそ、傍からみてる人には『感性』とかセンスとか、時には魔法のようなのものにしかみえないわけで。

また、『感性』は、プロの間であっても人それぞれ違います。
ゆえに、一つの目標をもったプロジェクトにおいて、「よいデザイン」とは何か、という判断基準はひとそれぞれ→意見が大幅にわれてデザイナー&ディレクターがめっちゃ振り回される、ということも日常茶飯事。

この『感性』のようにとらえづらいものを、データとして定量化して、解析して『このユーザーの持つイメージと、このデザインは関係が近い』というマッピングをするのが対応分析法(コレスポンデンス分析)とのことでした。

定性的データでしか扱えないものを定量化して解析する手法があるのか!
私が持ってた定性的分析・定量的分析の壁をぶっこわされたような気がして、とてもおもしろかったです。

Rを使った統計解析

知ってはいたけど、なんとなくお近づきになれなかった統計ソフトRをはじめてつかいました。
とはいっても。
授業では先生が作ったソースコードを、source()関数を使ってよみこんで実行するだけなので一発OKです。

プログラミング全然できないド文系な私。
そんな生徒でもできるように先生が作り込んでくださったとのことでした。
ありがたや。
先生は曰「対応分析法を使った印象評価の全体のプロセスをつかんでほしかった」そうです。

普段ぼろ服しかきてないシンデレラが、魔法使いの魔法の力をかりて、あこがれの王子様と出会った感覚・・・といえばいいでしょうか。
王子自ら探してくれるということは現実にはなかなかないので、実際また王子とダンスしたければ、魔法使いの力を使わず自分でいろんなものを入手する必要があるけれど。
全体像を見る、ということで、必要なもの(馬車とかドレスとかガラスの靴とか従者とか)がなんなのか?王子と出会ったらどうすりゃええねん、というのは考えることができます。

実際Rを使ってこんな演習をしてました。

  • クロス表のデータをもとに、統計的仮説検定。カイ二乗値、P値を求める。
    目的:その調査データはどのぐらい生じにくいことなのか?(統計的有意性があるのか)を考える
  • プロファイルの散布図、三角図、同時付置図を書く。
    目的:その調査データの偏りをわかりやすく示せないか?を考える

印象評価の実験

印象評価の実験は、香りの印象を題材として以下のようなかんじで進みました。
img_kaiseki

私たちの班は、「マンションデベロッパーが、モデルハウスのタイプ別にあう香りをさがして、成約率アップにつなげる」というお題なりきりでやっていました(笑)

他の班も「浴衣にあう香水の開発」「車にあう香り」「女性が男性にモテるための香りから商品開発する」などなど、おもしろいものばかり!

例えば、ある班は『「女性らしい」というワードの印象が、男女で違う。男性は「女性らしい」というワードは「セクシー」に近く、女性は「上品」に近い』という発表をしていました。
同じワードでも想像するイメージが違う…デザインを作る時によくあるある問題ですね。
このイメージを統一する作業をすると、プロジェクト内でデザインに大幅なぶれが生じなくなるので、大事さは身をもってしっております。

なお、他の班の発表をきいていたり、自分たち含め、みんなが「難しいなー」とふりかえってた点は以下。

(1)質問票を書く
・何のために、というテーマ設定をするのが難しい
・テーマ設定きまっても、何をかけばいいのか悩んで時間ぎれになる
・ききたい質問がたくさんでてきて収集つかない
(2)質問票をみんなに配り実験
・被験者が時間内に終わる質問票のあり方(ユーザビリティ)は、テスト前にみなおすべき。みんな香りを1個ずつかいで、その香りについての複数の質問にこたえてるので、香りをかぐ→書く→かぐ→書く みたいなテスト方式だと非効率。。
・複数選択可能なのか、1個のみなのかがわからず、記述もれをしやすいような質問票は同じくユーザビリティの見直しが必要。
(3)質問票を集計
・回答が足りない欄等、どうおぎなってCSV作ればよいのか。
・Rで解析するためのCSV作るのに、何を変数とすべきかがわからない
・変数多すぎてわけのわからないCSVになってしまう。
(4)Rで解析、対応分析法で分析し、プレゼン
・同時付置図をよんでも、どう読んでいいのかわからない(泣)
・同時付置図で一個だけ孤立したデータがある。
例:「ペットにあう香りは?」ときいたとき、ペットという要素に近い香りがぜんぜんなかった。ユーザーが扱いに迷っているのでは。
・変数多すぎて、多変量解析はできたけど、統計的有意性はみられない

とにかく質問票を考える過程がものすっごく大事、というのがわかりました。
何をするために何を知りたいのか、どんな手法できけば被験者がこたえやすいか、Rで解析しやすいCSVにおとしこめるか・・・一気に考えながら作らなければいけません。

先生のおっしゃってた「データだけもってきて分析して、というのは厳しい。質問票の設計が大事だから。」がほんとに身にしみました。

データ解析について他印象にのこったトピック

探索的データ解析/データマイニング
・データから有益な情報を抽出する技術のこと
・データ(Data)の山に、坑道を掘り(Mining)宝(価値のある情報や知識)を発見すること

データから得られる知識

  • 何かと何かの間に、差異がある/ない(仮説検定:ABテスト等で用いる)
  • 何かと何かの間に、関係がある/ない(対応分析法:デザイン解析、ブランドイメージ等のマーケティングリサーチなどで使う)
先生は、授業の感想を対応分析法で分析している(もちろんR使う)。
テスト高得点、テスト点数低い人がどんな感想を書いているかで傾向みえないか?をみてみた。
「楽しむ」「楽しい」をくくる必要がある、文節に句切れがないなど、日本語を扱うためには目的に応じた辞書の設定が必要。

定性データを定量データにかえて分析する、ということを、先生も授業で実践しているというところにオタク魂を感じてきゅんきゅんしてしまいましたw

よくよく考えたら。
普段自分がやってるABテストだって、定性→定量の評価なんですよね。
評価しづらいデザインについて、「何かと何かの間に、差異がある/ない」という視点から、CVR・CTRという指標でもって、デザインの良しあしを決定する。

対応分析法は、なんかマーケティングリサーチに近い印象で、自分が用いるイメージが今の職種においてはわきづらかったのだけど。
俯瞰してみれば、普段の自分の業務とつながってる分野!と今更気づかされました。

余談

授業終了後、一部のメンバーと井ノ上先生とのみにいってきました♪
飲みにいくと省察深まってとてもいいですね。

・先生は28歳である ウソ━━━Σ(゚Д゚。)ノノ━━━ン!!!?
・先生、授業前日は寝れなかったらしい&金曜夜は産技大近くのホテルに泊まって、授業の準備をしていた。終わってほっとした。
・どじょう唐揚げはうまい
・デザイン操作論を担当されていた福田先生(N700系等をデザインされた天才デザイナー)の頭の中を体系化してみたい。
・錯視の研究をやりたい!
・錯視だって、音楽だって、マルチメディアだーーーーーー!

ほんとは、この文章にて、Rの具体的な使い方とか、データ解析についてのもっと深い部分を考察すべきなんだろうなあとは思いましたが。
まだもぐもぐしきれていません。

今私がのみこめたのは、デザイン解析のおもしろさ、どんなことを考えればいいのかというちょっとした知識あたりまでです。
もう少しもぐもぐして、Rも実務でつかっていってみたいなーと思いました。

マイ王子様・Rとの出会いに完敗・・・じゃなかった乾杯!
まっておれ王子!姫はいつか王子を使いまくってやる!

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