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人間中心イノベーション特論 -産業技術大学院大学 「人間中心デザイン」

img_0906top産業技術大学院大学、人間中心デザイン履修証明プログラムの復習レポ第3弾「人間中心イノベーション特論」です。

今回は産業技術大学院大学ではなく、楽天さんの社員食堂での授業でした。
羽田空港から飛び立つ飛行機の尻(尾翼)がよくみえて、休憩時間にうっとりしてしまいました。いいところだわ、品川シーサイド。

イノベーションと人間中心デザイン

パロアルト研究所 伊賀聡一郎先生の授業でした。
伊賀先生は、「複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦」等ドナルド・A・ノーマン氏の本を翻訳されていらっしゃいます。

授業の最初は「こんな不確実な世の中で、人間中心デザインの持つ役目ってなんだろう?」という話からはじまりました。


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印象的だったのは、『イノベーションのブレークスルー役としては科学・想像力・ステークホルダー全てをもちつなげる力があるのは企業』という点。

ただ、日本の企業の研究開発費は漸進で増えているものの。
効率はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ等主要国の中では目立って低いのです。
アメリカは政府がビジョンを示し、政府からの助成金等国ぐるみで援助している体制と比べて日本はどうなのだろう?
一体イノベーションをうみだす、『イノベーションエコロジー』『ブレークスルー』どこの部分でつまってしまっているのだろう?
もっと深堀りしてみたら、各国の差がみえてきておもしろそうだなーと感じました。

ひととモノの関係、人間中心デザイン、ドナルド・A・ノーマン氏について

次に人類の歴史と道具の関係、人間中心デザインが求められるようになるまでの話がでてきました。
人が仕事をする=機械を操作する というようになる中で、1980年代にドナルド・A・ノーマン氏が『User Centerd System Design(UCSD)』を提唱します。

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7つのデザインの基本原則という部分、ほんと基礎的な部分でデザイナーさんは無意識でやってる部分も多々あると思うのですが。
言語化するとわかりやすいので、社内等でのUIレビューのとき使えそうだなーと思いました。
(単語そのまま使うと伝わらないので、あくまで自分の中でみる指標とし、かみくだいて説明はする。)

1:発見可能性(Discoverability)
どのような行為が行えるのか、装置の今の状態はどうなっているのかが判断できる
2:フィードバック(Feedback)
行為の結果と製品やサービスの現在の状態についての完全かつ継続的な情報がある。行為が実行された後、新しい状態をわかりやすくする。
3:概念モデル(conceptual Model)
デザインは理解と制御感につながるように、システムの良い概念モデルを作れるようなすべての情報を与える。概念モデルは発見可能性と結果の評価の両方を向上させる。
4:アフォーダンス(Affordances)
望ましい行為を可能にするために適切なアフォーダンスがある。
5:シグニファイア(Signifiers)
効果的にシグニファイアを利用することによって、発見可能性を確かなものにし、フィードバックが理解可能な形で伝えられる
6:対応づけ(Mappings)
制御部と行為の間の関係は良い対応付けの原理に従う。それは空間的な時間的な接近によって拡張される。
7:制約(Constraints)
物理的、論理的、意味的、文化的な制約を与える。これによって行為や解釈のしやすさを助ける。

イノベーションの戦略・未来・普及、イノベーションへの投資、そして組織

孫氏からはじまる、古来からの「戦わずにポジションとって生き残る」戦略でも生き残るのが厳しい現在。
イノベーションをどのように組織内でおきてゆくのか、どんな点に留意していけばいいのか考えさせられました。

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『投資』ということばについてですが。
金はもちろん、私たち技術者の工数もそこには入るなーと個人的には思っています。

サービス開発の現場において、『投資』するにはリスクを減らすことが大事。
ここの投資の精度が施策の成否を分けるので、最近ディレクターとして私は以下のようなことを現場でやっています。

  • リスクは無視しない→工数かかりそうな箇所、ユーザーやステークホルダーに悪影響がありそうな部分を可視化し問いをたてる
  • リスクがわからないなら大きな投資はしないで小さくかけてみる→ABテストするとか、プロトタイプでユーザーテストしてみるなどなど
  • リスクについて、わかるように策を練る→定量・定性調査の範囲を広げて問いをたてる、有識者から学ぶ、類似調査をするなど

最近の自分の中での流行ワードは「エビデンスなきプロダクトバックログは死ぬべき」。
自分が提案する投資的なUI施策は、定量調査/定性調査にもとづいて合理性があると判断したものなので、リスクは少なくなっていると思います。

自分で「これいいかもー」と思ってつくったワイヤーフレームも、調査にもとづいてボツにすることなんてザラです。
ボツにする瞬間がたまらなく気持ちいいです。
傍からみれば要望ばさばさ切る人にみえるだろうなー。

グループワーク「組織で人間中心デザインについて抱える課題」

組織で超大事な合言葉!「人間中心デザインを振りかざさない。」

グループにわかれ、「組織で人間中心デザインについて抱える課題」を話し合いました。
私が入ったのは『人間中心デザインが組織で必要とされていない』でした。
みんなの現場での話をもちより、その課題にはどんな内容があり、どうしたら解決できるのか?を話し合いました。

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私たちは『人間中心デザインが組織で必要とされていない』のは「組織内で金と時間をかける価値が、意思決定者や現場で認められづらい」から「(組織の内外とわず)人間中心デザインについて布教することが大事」とまとめたのですが。
次の班の時、重要な指摘がでました。

「人間中心デザインを振りかざさない。」

CVRや売上を目標として事業がもってる以上、その文脈で人間中心デザインの価値を話さないといけないのですよね。
「ユーザーテストした結果、CVRがこんだけ上がってこんだけ売上あがる価値ありますよ」というのは、なかなか骨のおれる作業ではあるのですが。
これをやると、組織内での見方が全然違うなーと感じています。

人間中心デザイン=だしのようなもの

たとえるなら、人間中心デザインのプロセスって、料理のだしなのです。
ごはんを食べる人は毎日のごはんを食べたいのであって、だしを食べたいわけではない。

そんな人にむけて、「絶対おいしいから四十物昆布 羅臼昆布天然走1等と、初めての本枯節2本箱入りを使っただしをとりたいので、19660円ちょーだい!かつぶし削りだすから、だしをとる時間もかかるよ」というとどうなるか。

「うまいのかもしれんが、高すぎるわwwwエンゲル係数激増www」
「ていうか早くごはんたべたいんですけど・・・」
という結果になるのは目に見えています。

上記のような最高級食材を使っただしは、料亭で味わえばいいと思うのです。
日々ごはんを食べる人がもとめているのはそのレベルではなく、毎日のごはんで、よりおいしいごはんをたべれたらいいなーでしかありません。

だから、最高級じゃなくてもぜんぜんよくて。
だしの素とかだしパック、めんつゆなど、毎日の料理で使いやすい方法をそれぞれの家庭にあった形でそろえることで、料理がぐっとおいしくなるんじゃないかなーと思います。

dashiちなみに我が家はパルシステムのだしを超絶愛用中。
優しい味で何にでもあうし、ふりいれるだけの顆粒状なのでとてもらくちんです。
夫が好きな豚汁にもいれますが、夫は「だしいいから豚汁うまい」とは言いません。
だしの効果は絶対あるのですが、私も伝わりきらないので言いません。
「豚汁うまいねー。」と二人で食べるのです。

人間中心デザインも同じ。
(料亭的なものすごいレベル求められるプロジェクトをやってるのではない限り)普段の自分の業務工程にさらっといれこむのが、現場を支える私たちの、現実でのベストな方法に他なりません。

伊賀先生は最後に、「企業で人間中心デザインをやろうとすると壁にあたるけど、本質をみて、広い視野の中でHCDを(それぞれの企業にあうように)リフレームして欲しい」とおっしゃっていました。

昆布とかつおぶしを使った、本当のだしの取り方&その論理(うま味=昆布からでるグルタミン酸、かつおぶしからでるイノシン酸の相乗効果で美味しくなる)のような話を私たちはこの講座で学びますが。

実際の台所では
・昆布(酒をぬって炒る)とかつおぶし(削りだす)を使う
・昆布(だし用にカット済み)、かつおぶし(パック入り)を使う
・顆粒だしを使う
・だしパックを使う
・にぼしや干しシイタケ、干しエビ、干し帆立貝柱等の乾物を使う
・めんつゆ使う
・白だしを使う
・ストックしておいただし汁を使う
など、選択肢は無限です。

この選択肢を毎日の台所=現場にあうように再構築していくのが私たちの役目
だしとる方法、自宅である程度最適化させた成功実績はあるので、仕事もまけじとがんばろうと思います。

※だしの画像はパルシステムのサイトより引用いたしました。パルシステムおいしいよ~!

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Comments & Trackbacks

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  1. 面白いサイトですね。こんなサイトを作りたいと思ってました。
    ディレクターとしてお仕事をお願いしたいと思っていますが可能ですか?

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