webディレクターの阿呆な研究

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Code for Japan summit #cfjsummit でグラフィックレコーディングをやってきました

img_141013_01グラグリッドの三澤さんのご紹介で、Code for Japan summitのアンカンファレンスで、グラフィックレコーディングをやってきました。

Code for Japanとは、『市民参加型のコミュニティ運営を通じて、地域の課題を解決するためのアイディアを考え、テクノロジーを活用して公共サービスの開発や運営を支援していく非営利団体』です。(Code for Japanより引用)

今年のサミットのテーマは、「コネクト」。日本におけるシビックテックの活動を広め、各地での事例や学びを共有することで、ネクストアクションを皆で考える為の場にしたいと思っております。
※シビックテック:市民がテクノロジーを活用して公共サービスなどの地域課題解決を行うこと

私が参加したアンカンファレンスは、ネクストアクションを皆で考える為の場です。
政府、自治体、企業、NPO、学生と皆の所属や職種はばらばら。
そんな多彩なメンバーと一緒に、いくつかのテーマに沿ってワークショップをすすめて合意形成を行いアクションをだす・また自分が何をできるのかを考えるのが目的でした。

全体の議論内容は、Code for Japan Summit 2014 アンカンファレンス #cfjsummit のまとめにおまかせして。
私はグラフィックレコーディング(時々ファシリテーショングラフィック)の立場から、ワークショップでの発想・合意形成を考えていきたいと思います。

※コアデイに実施された「シビックテックの活動を広める」という部分については、Code for Japan 2014 コアデイ #cfjsummit のまとめがとても詳しいのでおすすめ!

グラフィックレコーディングとは

グラフィックレコーディングとは、ひとことで言うとビジュアル議事録。ただ、議事録といっても単に“報告事項”や”決定事項”だけでなく、議論の流れやアイディアの創出プロセスそのものを視覚化するものです。
東海大学教養学部芸術学科 デザイン学課程講師 富田 誠氏のブログより

例えばコアデイのグラフィックレコーディングはこんなかんじ。
会場にずらーっとはりだされてて、おもわず見入ってしまいました。

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参加してなくても、誰が何を目指した議論なのか?どんな話題があがっていて、要点が何なのか?どんな流れで話が進んだのかが一発でわかります。
いやー美しい!!

アンカンファレンスから見えた『場づくり』の工夫

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アンカンファレンスの流れもグラフィック!
目についてわかりやすい。

今回は、私のほか、社会人2名、常葉大学安武先生+生徒のみなさん5名、三澤さん、計10名がグラフィックレコーディング班に所属しています。
開始50分くらい前から、グラフィックレコーディング班は、全員で分担しながら、みんなで一気に模造紙に色んなものを書いていきました。

img_141013_04おもしろかったのは、セーラー万年筆 どこでもシートという商品。
薄いシートが静電気ではりつき、すぐにホワイトボードになるという素敵ツールです!

ホワイトボードがない会場でも、これがあればホワイトボード活用した議論が進められますね。

img_141013_05はるとこんなかんじ。
壁にはるから実物のようなガタガタないし、移動もすぐできる!!

むほうおうううう!!イノベーション!!

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机はだいたい6-8人が座って、中央の模造紙1枚を囲むかんじ。
テーマ別ワールドカフェが、ブレスト=発散の場ゆえの、人数設定・配置なんだと思います。
産技大人間中心デザイン履修証明プログラム「発想ファシリテーション論」で習ったことを実地で復習です。ぐふぐふ。

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また、会場には、お茶やコーヒー、ハッピーターンやカントリーマーム等のおやつがたくさん用意されていました。
最初、テーブルの上に置かれたおやつを食べる人は少なかったのですが。
ワールドカフェ終了後、各テーマごとに議論を深めていく過程になると、みんなおもむろにおかしを食べ始めるのが興味深かったです。
声かけが行われた、おなかすいてきた、というのもあると思うんだけど。
議論が進むごとにみんながおやつを食べる→議論がワイワイ進んでよいかんじ→おやつを食べる→もっと議論がすすんで良い感じ…という循環があるような気がしたのです(笑)

ワールドカフェ→ディスカッション(素材だし、アイディアの発散と収束)の過程で見えてきたもの

ワールドカフェ(素材だし)

ワールドカフェ方式で、各人3テーマ気になるものを選び、5分おきにテーブルをめぐるって考えてることを話しあうという進行でした。

テーマは以下。

  1. 地域で働きやすくするために
  2. テックガールを増やせ!
  3. 子育てママ(乳児と一緒に)ゆとりをもって生活するには?
  4. キッズ/ファミリーみんなでできるシビックテックとは?
  5. シニアももっとアクティブに!
  6. 地理空間情報をいかに使うか?
  7. 理想とする電子政府とは?

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1テーブル、6-8人、5分で考えてることを話す、というなかなか短時間な状況でした。
最初、自己紹介をしてた班もあったようですが。
5分があっというますぎて「議論足りない!もっと話したい!」となってしまっていました。

また、私自身、ワールドカフェからレコーディングに入ってみたものの。
5分では4人くらいの意見がでるのが限界。

ひっこみじあんめな人に話をきいたり、誰かと誰かの考えのつながり会話をひろげていったり、一人で黙々と自分の意見を模造紙に書いている人の意見をひろってひろげたり等の『発散』がもっとできたらよかったなあと感じました。

ディスカッション(アイディアの発散・収束)

私が入ったのは『地域で働きやすくするために』というテーマ。
ワールドカフェででた案を、付箋にかきうつし一覧化→グルーピング・概念化→図解化…というKJ法的な流れで実行しました。
(以下写真は他のグループのものですが、同じようにKJ法で進んでいたグループがいくつかありました。)

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印象深かったのは、『地域で働きやすくするために』というテーマで、課題と解決策がすでに最初の一覧化ででていた点。
グルーピングして普通に概念化すると、『課題』→『解決策』という関係性にしかなりません。
事実、ここをグルーピングした段階で、私たちの班は議論がいったん止まってしまいました。

そこで思い出したのが、「KJ法はないものを見る」という専修大学上平先生の言葉。

『課題』→『解決策』があるのに、なんで現実は地域で働きやすくない状況なんだろう?
『課題』→『解決策』のあいだに実はもっと見落としてる何かがあるんじゃないか?

そう提議してみたところ。
グループの議論が一歩先に進み、実際の地方出身者から「なんで地方で働く人は東京にいっちゃうの?」「なんで出身地域に帰らないのか?」という理由をヒアリングする流れになりました。

「本当は帰りたいけど、地方で失敗したらあとがない。東京は企業がおおい分チャンスが複数ある。」
「子供の教育を考えると、選択肢が多い東京のほうがよさそう」
「やっぱりお金の問題で、地方で働く=賃金が・・・というイメージがある」
「地域のコミュニティに入りづらくて怖い。受け入れる側が心の準備ができてないし、自分も行くのが怖いと感じる。」
など、経験に基づいた意見がでるわでるわ。
最終的に集約すると「地方出身・現在東京に住んでいる身としては、東京:地方、0:10にいきなりするのはきつい。」という思考が浮き彫りとなりました。

すると解決策も一歩踏み込めるわけで。
「地域:東京が10:0が厳しいなら、3:7とかならいけるんじゃない?」
「週末だけ地方っていう手もあるかもね」
「お金の問題をどうやれば打破できるかな?」
というような、障壁を打破する方向の議論やアイディアがでてきました。

産技大人間中心デザイン履修証明プログラムの発想ファシリテーション論で上平先生に習ったKJ法、超役に立った!!

他の班も、どんどんグラフィックができあがってゆきます!
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発想と合意形成における、グラフィックレコーディングのポイント

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そんな議論をがしがしグラフィックレコーディングしていきます。
※↑写真は、KJ法での図解化が終わり、解決策の検討段階。

ポイント1:過程をとにかく書く!
グラフィックレコーディングしていく中で、一番の肝は、この『過程をとにかく書く』ところだと思っています。
構造化された勉強会スライドならまだしも。
論点がいろんなところにとんでく議論のグラフィックを書いていくのは、内容確定後、発表の模造紙つくるよりも難易度高いんじゃないかなと思います。
でも。どーせ議論がどう進むかわからないから、ある程度えいやで書くしかないのです。

私は、グラフィックレコーディングに最も必要なスキルは、「度胸」だと思っています。
絵のスキルや構造化のスキルはもちろん必要ですが、思い切って構図を決める決断や失敗を引きずらず次へ進む精神力がないと、その場で効果が発揮されません。
byグラグリッド三澤さん

そうそう。
失敗してもどうにかなるさ!と思って、精一杯情報を構造化し、ペンを動かし続けるしか方法はないんだと思います。
「このくらいが妥当な紙の量かなー」と思って位置をきめてかきはじめても、紙がなくなることなんて日常茶飯事です。
あとから線でつなぐ、同じ色で囲う、紙をつけたす、ナンバーつけるなどの手法はいくらでもあるので、まずはどうにかなる!と信じて書き始めるしかないと思っています。

ポイント2:議論をまげないように意識する
「過程をとにかく書く!」ともつながるのですが。同時に留意しなければいけないのは「議論をまげないこと。」という点です。

今回グラフィックレコーディング(議事録)を書くメンバーの多くが、知らず知らずの間に『議論を自分の絵がまげてしまわないか?』という不安を抱えていました。

自分の構造化を前提におきすぎたあまり、参加者が出した突飛な「この情報はどうでもいい」というような情報をいれのがしてしまうと、そこで議論がストップしてしまうのです。

普段自分のノートに好き放題書いてる分には自分が困るだけなんで全然いいのですが、皆の成果につながると思うと怖いなと感じます。
でもまあ、「足りなければ誰かが『書いて!』といってくれるだろ、ハッハー」と開き直りました。
もし可能なら、グラフィックレコーダーが複数いるのが望ましいですが。
まあ難しいと思うので、現実解としては、皆が記録をグラフィックレコーダーに完全にゆだねるのではなく、チェックとフィードバックをしていくことじゃないかなあと思います。

ポイント3:ファシリテーターのよき補佐役となるのがいいかも
普段私はディレクターという役職もあいまり、ファシリテーションする側にまわることが多い性分です。
今回はグラフィックレコーダーとして入ったし、過程の記録とまとめに全力を注ぎたいことから、グラフィックレコーディング中心でいよう!と決めていました。
実際、グループのメンバーにファシリテーション出来る方がいてくださって、とても円滑に議論が進んだように思います。

ただ、ファシリテーターが気づかない部分を、先にグラフィックレコーダーが気づけるという部分もありました。(先に述べた議論ストップの話です)
過程の記録だけだと、ほんとに『レコーディング』なんですよね。
もちろんレコーディングだけでも、皆のディスカッションの相当な助けになるとは思うのですが。
ディスカッションの一番の目標は『よりよいアイディアの発想と合意形成』

グラフィックの力を悪用したら議論をねじまげることにつながりますが、逆に適切な用い方をして議論にフィードバックしていけば、議論をより深める方向性にもっていくことにもつなげることができるのだと気づきました。

各班の発表!グラフィックレコーディング

最後に、グラフィックレコーディングしていった模造紙数枚をベースに、発表用のグラフィックを書いて発表していきます。
私の班「地域で働きやすくするために」は発表一番最初。どきどき!

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いくつか並べて発表したものをみて思ったこといくつか。

色づかい
読みづらいテキスト色は避けるのはもちろんです。が、黒一本でも単調になるので、『テックガールを増やせ!』『地理空間情報をいかに使うか』のような色づかいは用途としてよさそう!(普段着ている服の色と、キャンプで着たい服の色(ハデでカラフル)は違う・・・という違いかな?)
レイアウトの使い方
めいっぱい模造紙を活用してでっかく書きこむ+ポイントのフォントはとにかく太くすると、遠くからも見やすくてGOOD。
『理想とする電子政府とは?』『シニアをもっともっとアクティブに』はその点いい活用をしてるなーと思います。
概念のあらわし方
概念のあらわし方がうまいと、一発で理解できるものができるなと感じます。『シビックテックで地域活性化』はそこが上手で、『ぎざぎざの割れ目=昼間平日だけど、ママもシニアも相互に断絶している』『ママとシニアが手をつなぐ=協力する』というイメージ、すごくわかりやすいです。グラフィックレコーディングはこういう概念を文字ではなくイメージ化するのが大事なんだろうなあと思います。

あとすっごいどうでもよいことなのですが。
大人になってPCでテキスト書きすぎて、漢字が書けなくなっているのです…ヒィィィ!
自分一人のノートだとひらがなとか間違った漢字でごまかすのですが、みんなの成果物だとちゃんと漢字かかないといけないのです。
「可視化」を「可視可」とかいて発表直前にあわててなおしたりと、私は残念な大人っぷりを発揮しました!
ハハハ!漢字練習しなきゃだめかも!

グラフィックレコーディングの成果

もう、この場にいた人の声をきくのがはやいのではっていきます。

などなど。
実際自分の班でも、「議論がすごくしやすくなった!」といっていただくことができました。
ほんと、ディスカッションの精度がぐっとあがるんですよね。
この精度の上がり方が画期的であると、他参加者の方からたくさんのお声をいただいてるなあと感じました。
そんな声をきいて、逆にグラフィックレコーディング班のメンバーでみな「うわあああびっくり!どうしようどうしよう!」という状態でした。笑

そんないい方法なのに、グラフィックレコーディングする人ってあまり表にでてこなかったんだろう?

「あたりまえだと思っていた」力と、その力を支える訓練

答えはカンタン。
「それがあたりまえだと思ってたから」。

グラフィックレコーディング班の仲間たちと話してた際、皆「いつもノートとるとき、小さい時からそうだったので、これがあたりまえだと思ってた」と口をそろえていってたのが印象的でした。
もちろん私もそう。
息をするようにあたりまえなので、「自分は息ができます!」とはいいだそうとも思わないのです。

彼女たちのような無意識に絵を描く訓練を重ねてきた人にとっては当たり前のような可視化の判断が、他の人にとっては充分に問題解決の糸口になることが、情報化社会の現代で発見されている面もあるのだろうと思います。
常葉大学 安武先生より

絵を描く訓練には、画力を鍛えるという訓練、情報を構造化する訓練があると思います。
webデザインでいえば、前者はグラフィックデザインのスキル、後者は情報設計(IA)。

ともすれば魔法みたいと扱われるグラフィックレコーディングですが。
グラフィックデザインのスキル、情報設計(IA)のスキルも後天的に身に着くものなので、別に魔法ではなく、訓練で身に着くものなのかなとも思います。
webデザイナーでIAできる人は、グラフィックレコーディングの飲みこみ特に早そう。

※なお、私はグラフィックデザインのスキルはありません!
漫画家めざしてましたが、目指す漫画家が岡田あーみん、さくらももこ方向だったので、美しいデッサンとはほど遠いところにおりまして。毎日血しぶきとか、う○こもらしちゃうとか、びっくりして飛び出る目玉とか書いてました・・・

今、グラフィックレコーディングが注目されてきた理由=越境

web業界の現場では、国境を越えたエンジニアとのやりとりが日常茶飯事となってきました。
また、サービス運営=サービスの分野によっては、その分野のプロ(webには明るくない)とやりとりする必要があります。
code for japanのように、公共サービスなどの地域課題解決を行う方たちもいます。
サービスを考えていくうえでのステークホルダーは、どんどん多様化していく一方です。

ステークホルダー同士が越境しあう中で、しかもスピーディーに何かをつくるためには。
文化や知識差を超えて合意形成をしていくスキル・ノウハウがより一層必要となってゆきそうです。

その一つのスキルとして、グラフィックレコーディングがあるのではないでしょうか。

実際、私もベトナムのエンジニアとやりとりするより、レッドマインで長々と英語指示を書くより、コードを示す+キャプチャに説明画像つけてチケット投げるほうがずっと早いと身をもって知りました。
意外と伝わる。笑

たぶん英語で会議することになったら相当カオスになるので、グラフィックレコーディングで積極的に関わっていこうと思います。(チームのためという以上に、じゃないと自分が仕事できないんだもん!!英語もがんばるけどさーうっうっうっ(´;ω;`)!)

——

というわけで。
これからしばし意識的にアイディア発想・合意形成の場において、グラフィックレコーディングを活用していきたいと思います。

また、グラフィックレコーディングことはじめ的なワークショップもやれたらいいなあと考え始めています。
たぶん実施は12月以降になると思いますが、決まったら告知しますのでぜひ♪

※10/15追記:アンカンファレンス中の写真を三澤さんからいただき、掲載いたしました。
それにともないいくつか加筆・修正をしております。三澤さん、ありがとうございました!!

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