10代の頃失恋したときは、数歩歩くたびに涙がでてきたし、言葉を発しようとするだけで嗚咽が出てきた。
ぐるぐる考えれば考えるほど、どうにもならなくて。
電車にも乗る気になれず、泣きながら歩きつづけた結果、セーラー服とローファーで多摩丘陵を山越えしてしまった。
私は何か考えたくなると、とことんぼーっとして歩いてしまう癖がある。
三十路超えててこんなこと言うの恥ずかしいのだけど。
ここ2週間くらい、自己嫌悪の真っただ中にいたので、やっぱり都心をぼーーっと歩いてしまった。
恵比寿から世田谷。中目黒から世田谷。下高井戸から世田谷。
多摩丘陵の山越えに比べれば存外近かったように思う。
さすがにもう、数歩で涙なんかでてこないし、言葉を発してもすぐ嗚咽なんてでてこないけど。
家族とか、気を許した友達の前にいくと、ふと消化できなかった自己嫌悪と涙が出てきそうになって困ってしまった。
「ヤケを起こしたとき見るノート」を作っておきたい。自暴自棄になると人は思考停止し、ヤケ酒など自分を傷つけ人を傷つけしがちだ。だから冷静なうちに自分なりの正しいヤケの起こし方をノートに書き、お金もはさんでおく。私だったら、羊羹の1本食い、美容ドリンク1ダース飲み、フカヒレ姿煮食い?
— 山田ズーニー (@zoonieyamada) 2015, 9月 1
ヤケクソのおこし方。
ここ最近、それなりにヤケクソで自己嫌悪消化不良真っ最中だったので、いくつか消化不良を消化するために施策をうってみた。
- ヨガ:無心で体を動かして、精神を全く違う方面に飛ばすというのはよかった。けどジムに頻繁にいけないのが無念。
- ハーフマラソントレーニング:翌日と翌々日、怪我レベルの筋肉痛になって周囲から失笑をかった。
- 寝る:寝ても寝ても眠い(中学時代からいつもそんなかんじ)。
- ヤケ食い:ラーメンやハンバーガーとかジャンキーなもの食べすぎて野菜不足⇒口内炎になった。
- 酒を飲む:普段まったく飲まないので、どうにかなってやれとおもってヤケクソになって飲んでみた。
しかし、いずれも継続的な消化不良解消につながらなかった。
成果がでないし、少しでたものも継続できないのだ。
たぶん継続してランニングすべきなんだろうなーと思いつつ、ここ数日雨で走れず。
んで、消化不良がたまりにたまって、普段と違うことやったらどーにかなるんじゃねーかと思って勢い余って酒のんでみたけど。
別にどうにもならなかった。
そんな時、ふと、家に帰って、豚汁作ろうと思った。
バーベキューの残りの冷凍の肉、そろそろ食べなきゃいけないし。
豚汁は夫の好物だ。
大量に作ればとりあえずなくなる、我が家の消化率ナンバー1メニュー。
大根切って、人参きって、だしいれて、のこってた松山揚げがっさーっと入れて煮立たせて。
最後に火を止めて豚肉と味噌をいれる。
すきまできゅうりとミョウガを刻んで漬物作った。
ただそれだけの作業なんだけど、嘘のように心が安らいだ。
酒飲んで帰ってきた夫も、一気に豚汁をすすった後、寝室でぼーっとしはじめた。
胃にいつまでももたれてた消化不良が、少しずつ消化されはじめてた。
なんで豚汁構築が、ヤケおこしにきいたのか?
それは、日常のささやかなことの積み重ねが感じられるから、美味しさとしての成果が可視化されやすいからだと思う。
日常のささやかな積み重ねっていうのは実はバカにはできなくて。
・野菜は基本皮ごと食べる。そのほうが栄養価あるから。
・油揚げはコクをだすために、野菜と一緒に先にいれる
・大根とにんじんは冷えるときに味が入るから、味噌をいれたらしばらくさまして食べる前にまた煮立てる
・ねぎは必ず青ネギ刻んでおく。いくらでも青ネギかけて食べれるようにしておく
・ごま油を少しだけいれる
などなど。
私は「夫が食べるから」といって豚汁作るけど。
その作業を積み重ねていくことで、夫のみならず自分をも大事にしている気がする。
そのうえ、「自分はおいしいものつくれるんだ」という自己効力感がうまれる。
自己効力感は、どす黒い感情を消化してくれる。
毎日自炊できるような奥様ではないけど。
しんどくなったら、またヤケ料理しようと思う。
普段やらないことをどーんといきなりやるのではなく、小さな成果をただただちゃんと積み重ねるのだ。
ぱくたそにのってた、豚汁に半熟玉子という組み合わせがおいしそうだったし。
普段はやらない贅沢な組み合わせ。
やらないことやるにしても、豚汁にのせる半熟玉子くらいの変化で私は十分なのかもしれない。
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