webディレクターの阿呆な研究

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【後編】グローバル化するサービスとオフショア開発環境の中で、webディレクターができること ~ベトナムで私も考えた編~

img_160515_2【前編】グローバル化するサービスとオフショア開発環境の中で、webディレクターができること ~現場の悩み編~の続き。

「旅行ECとして機能必須要件すりあわせに時間や工数かけてるけど。もっとユーザー目線で考える時間や工数増やして、ユーザビリティ・売上あげたい、チームで事業貢献したい!webディレクターとして、今私はどうすればいいんだろう?」という問いに対して。
ベトナム出張でであった人々・出来事から得たヒントを書いていきます。

おやつ、ごはん、ふとした集まりから見えるみんなの日常

おやつ、ごはん、飲み会

img_160515 (1)初日にいきなりおやつをもらいました。
バインチュンという、ベトナムのちまきで、お正月に食べるものだそう。
他にも、グアバや青マンゴー(酸っぱい!)、ビーフジャーキーなど、ラボで配っていたおやつをたくさんいただきました。びっくり!
周囲の人を見ていると、おやつにグアバや青マンゴー、ドラゴンフルーツなど果物を食べている人が多い印象でした。タッパにもってきて配っている人もいれば、その場で切る人も。

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夜にはエンジニア、現地の業務メンバーと一緒にごはんへ。
「ベトナムのどじょうが美味しいんです!」といわれて、おっかなびっくり食べてみたら。
淡泊であっさりしてて、ぜんぜん土臭くない!鮎みたい。
どじょう万歳!

img_160515 (3)バインセオ。
ベトナムのオムレツです。
ライスペーパーに野菜(という謎の葉っぱ)をたくさんのせて、その上にバインセオ、なますをのせて包んで食べます。
この食べ方はじめてだった!!感動!!
謎の葉っぱはマンゴーの葉、ドクダミ等種類はたくさんあるらしいです。
特にマンゴーの葉は美味しかった!

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飲み会もひらいてもらいました。
私、そして一緒にいっている上長とも『辛い物が好き』ということから、おいしい辛い物があるお店につれてってもらいました。(※この場所はホーチミンでは外国人向けのお店だそう。普段いかないところに連れてきていただいて、恐縮しっぱなしです。)

333というビールに氷をいれて飲む人もいれば、ビール片手にミネラルウォーターのボトルをもっている人もおり(333に氷を入れるのはベトナムでよくある風景なんだそう)。
お酒の飲み方も多様なんだなーと実感しました。

そんなわけで、はじめて覚えたベトナム語は「một hai ba dzô!(1、2、3、乾杯!)」でした。

他にも、ランチで「近場がいい!」といったらおとなりの食堂につれてってもらったり、「ブンボーフエってどんなんだっけ?」ときいたらおいしいブンボー屋につれてってもらったり。(ブン=ベトナムのビーフン、ボー=牛肉、フエ=中部の地名だそう!)
「ベトナムの唐辛子が好き~」と言って毎食のようにむさぼっていたら、生より辛い唐辛子粉をお土産にいただきました。確かに辛くて風味あっておいしい!

気づけば、ランチやディナーで誰かベトナムメンバー、上長と一緒にごはんを食べていました。
特にランチやおやつは、『日常でいくところ』がみれておもしろい!

新人さん歓迎会

また、新しいメンバーがはいってきたときのお披露目会にも立ち会うことができました。
・新人紹介
・社内でチームになっており、そのチームのどれにはいるか新人さんは選ぶ権利がある(部署ではなく、よりプライベートで交流するためのチームのようです)
・各チームから「自分のチームにはいるとこんないいことがあるよ!」という説明がある
この時間がたっぷり30分!
みんな業務の手をとめて、楽しそうに話しています。
(この様子を通訳してもらいました。きけてよかった!)

会社のTシャツ

また、前回もベトナムにいっておもしろいなあーと思ったのが、会社のTシャツをつくって会社で普通にきているという点。
日本だったらイベントのときだけきてその時ですら恥ずかしいのに、ベトナムでは「それが普通、自分が所属しているかんじがしてうれしい」とのこと。
「だとしたら日本ってなんで会社のTシャツをきることが恥ずかしいんだろう?」
「日本人は所属を明かすのが恥ずかしい?でも所属に誇りを持っている人はたくさんいるしなあ・・・。」
「リクルートスーツやスーツをみんなきるから、画一的な服装をしたくないというわけでもないし。」
日常のささやかな部分にふれるたび、ベトナム、そして日本のその奥にある思考やインサイトを考えてしまいます。

通勤のバイク

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「乗り物に酔うんです」といっていたら、「バイクなら大丈夫!」と今回はバイクにも一緒にのせてもらいました。
会社のすぐとなりにバイクだけの駐車場があり、パスをみせて多くの人がバイクをとりにいきます。
多くのエンジニアがバイク通勤をしているそうです。
バイクの駐車場は区画を建て増し建て増ししたような場所。
駐車場のおじさんが、私にヘルメットを貸してくれました。

ベトナムでは道にバイクがめっちゃくちゃあふれていて、車のすぐ横を通ります。信号もあってないようなもんで、歩行者も車もどんどん交差していきます。
「けがしないの?」「通勤中じん帯切ったことありますよー」
「なんで今この通りにこんなイルミネーションがでてるの?」「選挙のためなんです。ベトナムは一つしか政党がないからアピールするの」
バイクに乗りながら、そんなたわいもない会話をつづけていると、あっという間に夕ご飯のお店につきました。

こんな風に日常でどんなことをしているのか、何にふれているのか、何を見ているのか、どんなことを考えているのかというのを一個ずつ知っていくのは、エスノグラフィをしているかんじでとても楽しいのです。
一個ずつ、いろんなピースが自分のなかではまっていくかんじ。

仕事ではみない顔をみれる、ボーリング大会

出張三日目には、ボーリング大会に一緒に参加させてもらいました。

img_160515-(12)開催場所はダイアモンドプラザ
みんな上手い・・・・!うわあああああ。

中でも、一緒に出張にいた上長は149点という一番の戦績をあげて、チーム優勝に貢献していました。
(もうそりゃーーかっこよかったんですよーーー!)
かたや私は・・・20点。越日混合チームで誰より得点低いありさまです。運動音痴日本代表になれる気がする、うふふふ。

おもしろかったのは、ふだん無口でランチでも無口だったエンジニアが、そのときばかりは「イエーーーイ!」みたいなかんじで笑顔みせてたこと。
ピンがたくさんたおれたらハイタッチしあったり、私が1本でもたおれたら(だって基本倒れないんだもん)「ナイス!」と声をかけてくれたり。
その一連のやりとりで、どこか「あのひと怖い人なのかなあ」がふっとんで、「なんだあ、優しい兄さんじゃないか!!」とそのあとすごく話しやすくなりました。

そんな時間を積み重ねて、仕事もしていく中で。
名前と顔が一致して、エンジニアがどんな人なのか、というのもだんだんわかっていく自分がいました。

例えば、Tさんというエンジニア
・出張前には、色々な質問を私に渡してきた。鋭い質問多く、そこから全体会議で諮った質問もあって、「この人の質問どきどきするけど、おもしろいな~」と思ってた
・実際にあったら思ったより若く20代後半だった。1児のパパ。
・普段ちょっと口調が強いように見え(ベトナム語だから本当のところわからないけど)、第一印象ちょい怖かった。でも、会議やその後のコミュニケーションつみあげるたびに、ちゃんと考えてくれていているんだなあとすごく安心した。
・このエンジニアがつくってくれたもの、しっかりテストやるぞーって自然に思えるようになった。

ちょうど出張中、UX milkでどんぴしゃな記事があがっていてびっくりしました。

周囲に居る人達を知るという事は、戦略を立てる際に重要な情報を得る事ができます。ウォルマートラボのUXデザイン&リサーチ部門長の Sara Ortloff Khouryは、相手を話し合いに引き込むためにはどうすればいいかを考えながら自分の周囲に居る人達について知る事こそ、あらゆる戦略やプロジェクトを構築する前にするべき事だと言います。

『この取り組みを実践する前に、私は様々な人の考えについて知るにはどうすればいいかを考えます。周囲の人たちはどんな人たちなのか、どんな考えを持っているのか、何を大切にしているのか、そして、どうすればその人たちに近づけるのか、を考えるのです』―Ortloff Khoury
UXスキルでプロジェクトを円滑に! UXリーダーから学ぶ4つの成功テクニック

UX業務をやっていると、「Why」という「どうしてデザインするの?=戦略」を考えがちですが。
それより先に「WHO」が実はあって、ここで築いた信頼関係をベースに「Why」を考えるのが大事なんだと思います。

仕事のコミュニケーション、そのコミュニケーションの形を活かす土台をつくること

仕事のコミュニケーションは大事なのですが。
オフショア開発、しかも海外なのだとしたら、そのコミュニケーションの形を活かすための土台=「WHO」を知る部分をつくっていくのが今一番大事なんじゃないかなーとも強く感じました。

お弁当でたとえるなら。
仕事のコミュニケーション=お弁当におけるから揚げ・卵焼きなど固形物系
コミュニケーションの形を活かすための土台=レタス、ごまあえ、きんぴら、つけものなど、すきまをうめる系

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お弁当って、固形物系だけいれてもだめで。
栄養がかたよるし、固形物どおし隙間が発生してしまうため、お弁当が崩れてしまうのです。
この偏りや崩れをふせぐのにいいのが、すきまをうめるおかず。

仕事のコミュニケーションも同じで、コミュニケーションの形を活かすための土台があってはじめてチームとして機能するのかな(それも気持ち的な面で)と思います。
毎日ごはんにから揚げだけでも、おなかはふくれるんだけど、なんかしんどくなる。
すきまをうめるおかずが足りないなーと思ったら、ちゃんとおかずを作っていれる習慣や時間をとるのが大事。

そう考えると、私が前編でふれたようにドキュメントつくりまくっているもの=から揚げとか卵焼き。
出張ですべきなのは、けっこうな比率ですきまのおかずを作ること。
加えて、から揚げとか卵焼きの仕上げもちゃんとやること。

そう思うと、ものすごーーーく、すとーんとwebディレクターとしてやるべきことがわかりました。
まず「WHO」からはじめよう。

今の時代、そしてこれからのサイバーコミュニケーション全盛の時代では、異なる価値観や異なる文化背景を持った人と出会ったときに「どうにかする力」が重要になります。それも機転を利かせるという「瞬発力」よりは、「粘り強い」コミュニケーション能力です。そのような状況に耐えて切り抜ける力を、私は「対話力」と呼ぶこともあります。
平田オリザ コミュニケーション力を引き出す  演劇ワークショップのすすめ(PHP新書)より引用

まずは対話できること。
戦略とか、ましてやユーザー像の議論とか要件定義は、そのあとだ。
土台が積みあがっていけば、おのずとそういう話にはなっていくんだと思うのです。

そして、別れ際に「またベトナムに行く、テストするね!」という話をしたとき。
エンジニアたちと「QA(クオリティアシュアランス)の○○さんのテストを暇にするよう、一緒にがんばろうねー!」という話を一緒にすることができました。

リリースすることは当然で、もちろんそれは途中の通過点でしかないんだけど。
その「QA(クオリティアシュアランス)の○○さんのテストを暇にする!」というお題はエンジニア、webディレクターともにニヤリとできる楽しい目標でした。

「私がベトナムのバグつぶすためにレッドマインでチケットきる」「azumiからとんできたチケットを対応する」より、「チームでQA(クオリティアシュアランス)の○○さんのテストを暇にする!(ニヤリ)」のほうが、ずっと楽しく開発をすることができます。

ものづくりをしていくとき、こうした空気を生み出し続けられる人で自分はいたいなと思います。

ふと、2年ちょい前に今の直属の上司と会話を思い出しました。
(当時、現上司は別会社で働いており、情報交換にランチを一緒にしたことがありました。まさか2年後に直属の上長になるとは思いもしなかった・・・。なお、上司=エンジニアです。)

私:エンジニアからみて、ディレクターにもとめることってなんですか?知識?サービスへの理解?

上司:難しいところだけど、基本的には、エンジニアでは対応できない、ディレクターならではの部分(サイトの分析とかUIの最適化とか)をしっかりやってもらえるのが何より心強いかな。
質問の中で、「一緒にいいサービス作っていく」という表現があるので、スタンスとしては全く問題無いと思うよ。
何か問題が起きた時には、建設的に一緒に解決策を考えるような雰囲気を作っていくのが何よりだと思う

何か問題が起きた時には、建設的に一緒に解決策を考えるような雰囲気。

なんというか、答えが目の前にあった感!!
ぐるぐるしていた自分が拍子抜けてしまった瞬間でした。笑

おまけ:ベトナム出張で楽しかったこと

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サイゴン川クルーズ。謎の魚の船でごはんをたべることができます。
出張最終日に「川にいったことないから行きたい!」という私の願いをかなえてもらい、現地スタッフにつれていってもらいました。

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船からはほかのクルーズ船、川むこうのエリアを眺めることができます。
おいしくごはんをたべていたら、あっという間に20:15の出港時間になってしまいました。
私がゲロる可能性を考慮し、出港前に下船する予定だったのでびっくり。

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下船できなかった我々のために、小さい小舟が用意されました。
ちゃんとベトナムの旗つけてる!小さい!絶対観光じゃのれない船!!
もうずっとこのへんでは笑いっぱなしでした。

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復路は念願の機材、Boeing: 787 Dreamliner!!
ベトナム航空の日本線では、成田⇔ホーチミン線、成田⇔ハノイ線で運航されています。
往路はまさかの機材変更でA330-200だったので、よろこびもひとしお。

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なぜか私がすわったエリアはガラガラ。窓際3列私以外誰もいない状態でした。
深夜便なので、ありがたくひじかけを上にあげて、全座席つかわせていただくことに。
フラットで快眠できました。

USB充電もできるし、モニターもきれいだし、お便所もきれいだし、B787は素敵でした。
機材でこんなに乗った感覚って違うんだーと感動しました。
機材にこだわるユーザーの気持ちがめっちゃわかりました。そりゃこだわるわ。同じエコノミーでも段違いだよ!
次の出張もB787狙いでいこうかな。むふふふ。

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