webディレクターの阿呆な研究

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オフショア開発のコミュニケーションに、グラフィックレコーディングを活かす

160717_imgシンチャオ!
オフショア開発で、ベトナムにいってきました。
開発プロセスの中で、ベトナムをはじめ、多くの国のメンバーと関わる機会が増えてきた中。
グラフィックレコーディングを使い、コミュニケーションに活かすことがふえてきました。

もちろん、間に日本語を話せるブリッジSEがたつことで、言語の壁は相当下がっていたのですが。
デザインとエンジニアという職種、そして距離。
越境して一緒にものをつくっていくために、いくつか「やってよかったなー」ということがあったので、まとめておこうと思います。

オフショア開発での、グラフィックレコーディング活用例

開発中のサービスで、とあるパターンの課題発見・解決策検討を行い、オフショア先のエンジニアに迅速に伝える

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※写真は別サービスのものです。今のサービス、開発中なのでだせない。。

使いどころ

・単体テスト~結合テスト時点。基本的な遷移は考えられてても、「そういえば、こういうパターンでユーザーが動いたとき、ユーザーが見る画面って今の仕様だとイケてなくね?」みたいな話をするとき。

・今日やったユーザビリティテストの結果をまとめ、翌日に伝えて、修正に入ってもらうとき。

便利な点

・その画面で、ユーザーがどんなものをみて、どう思い行動するのか、何が解決すべき問題なのか?というのを遷移図と一緒に把握できる点。
たいてい皆、遷移図は書くんだけど。肝心な解決すべき問題であるユーザーの気持ちや行動こそ口頭説明だけになってしまうので何が問題なのかというすりあわせが難しいことが多い。
ユーザーの顔(考えてるとか、戸惑いとか)とをかいておくと、そこに目がいく=解決すべきユーザーの問題が何か?を把握しやすいし、議論もスムーズに進みます。

・日本で議論した内容を、写真をとって毎朝の定例的な時間で共有できるという点。朝の会で説明すれば、ベトナム側にもブリッジSEがいるので、その人が翻訳して現地のエンジニアに写真を見ながら伝えられる。

・ユーザビリティ評価の反応など、日本語で日本人どうしだと感覚が伝わる部分も、日⇒英⇒ベトナムという言語を通すことで、そのディテールや重要さがつたわらないことも。
ユーザーの体験を絵にまとめることで、体験のシーケンスな流れやディティールがぬけおち少なくスムーズに伝えられます。

結果、とりくむ問題の共通認識が得られ、一緒に議論をしやすい状況もうまれます。

ポイント

共有すること前提で、あとから見直しやすいように留意しています。

1:タイトル(問い)や日付を必ず入れる
2:遷移にあわせ、その画面になったときのユーザーの気持ちや行動を書く。
3:問いにたいする答え(解決策)は強調。決定したら丸をつける。

補足事項

・状況によっては、英語をはさんだほうがよいときもありそうだなーと思います。
日本側で要件を議論していた場合、日本語中心の共有物になってしまいますが。私の案件の場合、日本語をネイティブに理解できるベトナム人ブリッジSEが日本側、ベトナム側両方にいてくれたので、日本語中心でもどうにかなってる部分はあります。

・ユーザビリティテストの結果は、youtubeで動画でもアップし、併用して伝えました。
ユーザーの問題行動がおきる秒数まで指定したURLでおくると、話し合いもスムーズ。
例:https://youtu.be/xxxxxxxxxxx?t=10m39s

言語の壁を越えて、ユーザビリティテストを行う

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使いどころ

グローバル向けのサービスで、ユーザビリティテストをする必要があるとき。しかも、被験者⇔モデレーターの間で、言語の壁があるとき。

便利な点

テストについての認知的負荷が下がる点。
日本語でも大変な『テストするのはあなたではなく、サービスの使いやすさなので、普段と同じようにさわってくださいね』というテストの説明や、『思ったことを口に出して話してください』という思考発話の促し。
絵と一緒に指さしながら説明すると意図も伝わりやすいです。
というか、今までの日本人にむけたテストでも、こうやればよかったなーと思います。。

・絵をかかれたA5のカードを、説明するときにだすという進行ができる点。モデレーターもうっかり説明を忘れた!というのを防げます(笑)

・絵そのものがアイスブレイクになることも。
「うまくこたえられるかなあ、大丈夫かなあ」と被験者が緊張しているときに、「かわいい!」という反応がかえってきて、そこから緊張がとけていく瞬間がいくつかありました。

ポイント

・説明時、指さしながら使い、テスト中も見えるところにおいておきます。
テスト中に横にこのカードをおいておくことで、「さっき言われたことってなんだっけ?」という被験者の不安や、思考発話をさりげなーく促す効果もありました。

補足事項

・説明資料のほかにおいているのは、通貨換算表と、ユーザーのテストするシナリオ。今回は、オーストラリア向けのサービスのテストを行う回だったため、直感的にできるだけ金額をとらえられるよう、通貨換算表もあわせておいています。

・今回、被験者のリクルーティングは日本語を話せる人を対象としました。モデレーターが私一人しかいないし、日本語を話せる外国のメンバーが豊富にいたので。。(ただし、ベトナムでのユーザビリティテストでは、習熟レベルに差があるのも知っていたので、このツールを即興で作ったという背景があります)

・英語ネイティブな被験者の場合、日本語も話してくれるんだけど、時折英語でいろいろな指摘をする場合もありました。録音して後からききなおししたりもしました。英語がんばらなきゃなあ・・・←グラレコ関係ない

拠点や職種の違う人たちが関わる、全体の仕事の流れを説明する

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使いどころ

・日本にいてもみえづらいのに、オフショア開発ではさらに見えにくい、日本のサイト運営者達やワークフローの説明。

・ユーザーを取り巻く状況説明にも使っています。

便利な点

・拠点や職種を超えて、見えづらい業務の流れを俯瞰し、どうつながっているのか(特に人!)を実感できる点。

ポイント

1:関係者がどのような行動をしており、主役にどんな影響を与えるのかを描く
今回は「日本での業務の流れ、説明をしてほしい」がオーダーだったのですが。
その目的は「日本の業務がベトナムに依頼しているのがどうして大事か、会社の成長にどうかかわっているかを、ステークホルダーマップを描くことで実感してもらう」こと。
ベトナムで担っている業務=ベトナムの旗をたてて、周囲の関係者の仕事やその目指すところ、流れを説明しました。

2:タイトルは見ている人の言語で描く
たとえその場で描く議論だとしても。タイトルくらいは事前に準備できます。
私はブリッジSEにたのんで翻訳をしてもらい、かつ発音練習も行っていました(笑)
発音は全然だめで、笑いがおきる状態ではありましたが、やっぱり見てもらえるんです。見ている人が絵を「見たい!」と思うとっかかりの一つとして、言語って有効だなーと感じました。

3:しってる人は似顔絵+アイテムを書くとよろこばれる
今回は業務の話だったので。よくベトナムにいるメンバーと接点のある日本人側スタッフの紹介もしました。
似顔絵のほか、ちょっとした説明(この人はお酒が好きだよ、とか、ハバネロチキン食べきったとか)と絵をつけると一気にみんなの注目が上がります。
関係者マップって、業務の流れを知るのに加え、「なんか遠そうな人」と自分とのつながりを少しでも近づける役目もあるんだと思います。
というわけで、後半はそんな話が中心となってしまいました。

補足事項

・描きながら説明をする際、ブリッジSE(見習い中)にも立ち会ってもらいました。
ブリッジSEに、重要ワードはベトナム語でも記載してもらっています。

おまけ:関わるエンジニアの名前を覚えたい!!机にいって話したい!

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使いどころ

・エンジニアの名前を覚えて、その相手のところに直接いきたい!→しかし私は覚えが悪い→座席表ない→ならば自分でつくってしまえ

便利な点

・書き始めると、みんながよってきてさらなる情報追加を求め始める→コミュニケーションがうまれる→なぜか今回ニックネームも追加されました。超仕事ができるエンジニアさんが『恐妻家』・・・!

ポイント

・みんなの前で描く!!!描けば描くほど、内容充実、なんか場が盛り上がります。笑

補足事項

・「グラフィックレコーディングかくとき、ちゃんと似顔絵かかないとだめでしょ?」とよくきかれるのですが。
素敵な似顔絵でなくてもよくて、描くとよろこばれるというのは伝えたいです。まずは髪型や顔の一か所、何かその人っぽいもの一か所、合計二か所いれるだけでも十分伝わるのかなあと。

オフショア開発と、グラフィックレコーディングは相性がいい

オフショア開発で大事なのって、つきなみだけど以下2点だよなと感じています。
・仕事の情報共有を、離れた拠点(さらに言語の壁、文化の壁、職種の壁を超える)でいかにスムーズに行うか?
・情報共有をスムーズに行い、一つのものを一緒につくっていくためのチームビルディング

この二つに貢献する力、グラフィックレコーディングはもっているなあと私は感じています。

チャレンジ!グラフィックレコーディング2016 ~描くことで見える世界を拡げよう!~ オープニング&クロージング from Azumi Wada

↑まさにこのシチュエーション、オフショア開発そのものではないかなーと思うのです。
もちろん、グラフィックレコーディングがあれば成功するよ、というのではありません。

言語的な部分はブリッジSEが担ってくれたことがとても大きく、今回のプロジェクトがうまくいっているのは、日本側のプロジェクトリーダーのプロジェクト管理や、ブリッジSEとベトナム側のエンジニア、相応の連携があってこそだと思っています。
私がグラフィックレコーディングで担っていたのは、言語では伝えづらい部分です。
ユーザーの感性的な部分や体験、言語だと俯瞰しきれない全体像迅速に伝えたい部分とか。

ただ、この言語では伝えづらい部分こそ、オフショア開発では「うーん、どうやって相手に伝えればいいんだろう」と多くの人が悩んでいた部分なのではないでしょうか。

他にも、開発プロセスの中でこんなシーンで使おうと思っています。
・外国でうけおっているカスタマーサービス部門に対して、サービスの説明(ここはこれから)
・ユーザーインタビュー

二人でむきあって、ノートにお互いの話を描いて、深めていくことも。
カンファレンスでプレゼンが素敵なグラフィックになってて嬉しい、力づけられる、共有できるということも。
ファシリテーショングラフィック的に議論を活性化していくということも。
色々なシーンで、境目を超えてひとつのもの(時には社会)を一緒につくりたいと思ったら、グラフィックレコーディングという手法は使えるよ!というのを私は伝えたいなあと思います。

そんなわけで。
グラフィックレコーディングを活用するワークショップを8月21日(日)に宇都宮で行います。
グラフィックレコーディング勉強会in宇都宮 第2弾

活用する、という視点で用いるワークショップです。
より、現場で身近に使える手法というほうに近いかも。

『描くことで、見える世界を拡げよう。』
グラフィックレコーディング勉強会の合言葉です。
拡がる世界は、結果としての成果物はもちろんありますが。
言語に加え、グラフィックを駆使してみんなでつくったプロセスが生む、豊かなコミュニケーションそのものなのかな?と思います。

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