webディレクターの阿呆な研究

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Civic Tech Forum2017!チームでのグラフィックレコーディングと、その舞台裏

3/25(土)に東京・永田町で開催されたCivic Tech Forum2017
総勢16名グラフィックレコーディング隊で、イベントの可視化に挑戦してきました。

経験豊富なプロ的なグラフィッカーから、はじめたばかりの初心者で「今回イベントで描くのがはじめてなんです!」というメンバーまで。
全部でパネル13枚、さらにアンカンファレンスのグラフィック。とにかくたくさん描きまくりました。

Civic Tech Forumではグラフィックをはさんで会話したり、そこからまた共有や会話がうまれるという風景が随所でみられるようになっています。
『今年参加した人が講演やディスカッションをきいて「がんばろう」と思って活動を続け、やがて次の登壇者になる』そんなイベントの価値を体現する一役を担うことができたかな、と個人的には感じています。(もちろん反省は多々あるし、まだまだやれることはたくさんあるけどね!)

というわけで。
このブログではグラフィックレコーディング隊の目的や、プロセスについて記録にのこしておきたいと思います。

ただ描くだけではなく。価値創出を、可視化という手法を用いて、どうやって実践していくか?

なぜ私たちはイベントで、ボランタリーに描くのか?という問い

今回グラフィックレコーダーネットワークでのボランティア募集にあたり、こんなよびかけをしました。

▼募集要項
・「人前であまり描く機会ないけどかいてみたい!」「もっとかいてみたいな!」「ほかのグラフィッカーが描く様子をみて、学びあいたい」という挑戦したい人を募集します。はじめて人前で描く、という方大歓迎!
・個人的には。きれいな/議事録的なグラフィックを描くのではなく、『私はこんな風に受け取ったよー、さあみんなどうよ?!』という議論まきおこすような、挑発的投げかけの仕掛けをたくさんつくる挑戦としたいです。イベント参加者が植物だとしたら、その花が種をとばして再び芽吹くための風(台風)・蝶・動物、いろんな役目がグラフィッカーはできるのかなあと思っています。そんなグラフィックによる様々な仕掛け、場への入り方、ボランタリーに参加するみなさんと一緒に考えていきたいです
(中略)
・基本、ボランタリーな参加としています。他のグラフィッカーと一緒に挑戦してみることで、何かが得られる!と思ってくださる方のご参加、おまちしています。

グラフィッカーの活動の場は、有償の場、ボランタリーな場と様々です。
クオリティを相応に求めるなら有償(相当の対価)が必要ですし、反面ボランタリーな場は「挑戦」に使わせてもらおうと思っています。
(自分自身、高校生の時自閉症のこどもキャンプスタッフやったときから、NPOでのワークキャンプ実施や広報担当としてwebデザインつくったりと、様々な場でこれまで「挑戦」させてもらってきました。)

活動に共感すること、そして「挑戦」で何かを得られると感じている人。
そういう人たちが今回総勢16名もあつまってくれました。
自分の力をつかってみたいという人、社会に還元したいという人、どんな思いであれど、集まってくれたことはとてもありがたいことだなと感じています。

準備八割!

私が場をつくるときに大事にしているのは、準備です。
A SEED JAPANでファシリテーションを学んだときにまずいわれていたのが『準備八割』(あと二割)というワードでした。
会議でもイベントでも、その場でいきなりやれることなんて(二割程度)限られているので。

※なお、天才はその二割を超える力があるとは思います。
ただ、私はそもそも天才ではないし、天才ではないたくさんの人がペンをもって場を描きだすことにこそ、私は価値があると思っています。
ボランティアが二割程度の力となるか、もっともっと多くの力をだせるようにするか、そこは準備にかかっています。

準備として実施したのは以下。

  • グラフィックをいれる目的は何か?グラフィックをイベントの価値創出のためにどう使うか?という主催者とのすりあわせ
  • 主催者としてイベントで特に大事だと感じているところはどこか?のすりあわせ
  • グラフィックを描く場所のすりあわせ
  • 完成したグラフィックをおく場所=回遊性があり人が話したくなる場の検討
  • グラフィックを皆でみるための手法検討(パネルか紙か?壁にはるのはOKかNGか、壁がNGの場合どうするか)
  • グラフィッカー同士が助け合い、学びあえるための体制検討
  • どんなグラフィックを描くのか?をグラフィッカー中心で考える仕組みづくり

特に今回は、グラフィッカーの体制、グラフィッカー中心の準備がとてもよい成果につながったなと感じています。

グラフィッカー同士が助け合い、学びあえるための体制検討

・メンバー16名を3班に分ける
今回会場が1Fと6Fに分かれていること、途中から参加したり退出するメンバーもいあるため、自分がボランティアのリーダーとしてすべてをみることは物理的に厳しいと早々に判断しました。
その場をみてやることや描く内容はその場で判断するのがベストなこと、フォロー体制を決めるため、班中心にまわすことに。

・班長の任命
これができるのがボランティアリーダーで楽しいところですね。
渋さの不破さんがダンドリストとしてやっている「お前とお前、立て!」です。
今回は3班なので、松本さん、はらださん、和波さんの3名に任命。
それぞれイベントで何回かご一緒したことがあるのでまわりをサポートしてくれそうという信頼と、あと何がおきてもおもしろがれる人たちだと感じています。

・自分は当日、雑用係になれるようにする
本職がwebディレクターなので、基本姿勢は「デザイナーやコーダー、エンジニアが自由に働けるような体制つくる」。
そのためにチームをつくる、チームをつくるためには皆でつくる。
というわけで、どんなグラフィックを描くかは完全にボランティアのメンバーにゆだねることにしました。

どんなグラフィックを描くのか?をグラフィッカー中心で考える仕組みづくり

描く場所と画材(パネル)がきまった時点で、どう描いていくか?という議論をオンラインで開始。
海外での事例や、過去のグラフィッカーの作品などががんがんとびかいます。

イメージを話し合っていくなかで、イベントのコンセプトをグラフィッカーインズから考え、どんどんラフ案ができあがっていきます。

ラフ案並べた後、あとはやれそうなことの方向性で整理。
松本さんが共通のイメージをかたちにしてくださり、「よーしこれでいこう」というかんじになりました。

そうして必要な画材を追加で購入!!
ここまでパネルのデザインについて、合計65のメッセージが発せられました。

また班ごとにも、自分たちが当日どう動くかについての議論が平行して進められていました。
そしてみんなで班ごとに、当日朝から制作開始です。

立場を超えて、手と頭をうごかしあうのが、創発していくプロセスには欠かせません。
ただ、それは当日だけですぐ成立するものではない・・・というのも過去のイベントで実感していた部分でもありました。
事前にある程度、全体、あと班という単位でコミュニケーションをとっていくことで。
今回みんなが事前にプロセスを自分なりに考え、理解して『自分事』化して考えやすくすることに貢献はできたかな・・・と思っています

▼グラフィックの一覧はこちら
CTF2017グラレコ(3/26)

『本番を作る』ことの必要性と、先達のやるべきことについて

講演の場でこうしてボランタリーにグラフィックを描くということは、そのイベントの内容共有を促す、参加者のモチベーションを上げるということにもつながりますが。
もう一点、自分にとって大事だと思う貢献があります。
これから活躍する人のために、場をつくるということ。

場の中で描くということには、いくつもステップがあって。
まず情報を描くということ、そこからさらに言語化されない情報やメタな状況をとらえること、問いかけること。事前に場を設計すること。
そのステップを1つでも生きた場で実践するということに私は価値を感じています。

この挑戦は、ボランタリーな場だからこそできるし、そうした安全な場を作ることが自分の役目と定義しています。
だからそうした場では「こうあるべし」とか「こうかくべき」ということは言わず、「自由に描こう!」という立場に徹しています。
面白いことに、描いた後、みんな自分で反芻するのです。
反芻しているところの話をきくことで、反芻を促す役目(壁打ちの相手?)になるくらいかも。

このへんは、すごく技術関係のマサカリ投げ合いに疲れた部分が背景にあります。
人間中心設計・UXなり、アジャイルなり、ファシリテーショングラフィックやグラフィックレコーディングなり。
初学者が何かとりくむごとに、「この技術はかくあるべし」「あなたのようなやり方で、このワードを使うな!」「それは間違っている」という言葉を投げられることがよくあります。
先達としては「技術のために、チームのためにそれは正さないと」という思いがあるからこそだとは思うのですが、結果的にその言葉がマサカリになって、新しい人が挑戦しづらい・入りづらい雰囲気になっているんじゃないのかなーとも思うのです。(特にUX界隈でこのへんさんざん交わされてて、正直疲れました。)

技術的に間違っている/正しいことよりも。
みんながいま行きたいところに行ける、力になる方法で使える手法を自分は模索していきたいです。
もちろんそのためには、ファシリテーター/グラフィッカーとしての倫理・哲学が大前提として存在しています。
お仕事をお受けする方針についてについてそのあたりはかきました。

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これからも、こうしたグラフィッカー修行挑戦の場×市民として貢献できる場づくり、継続的に実施していきたいと思います。
そうして相互に学びあうことが、ファシリテーショングラフィック・グラフィックレコーディング実践者の学びあいを促せるし、グラフィッカーの育成につながると考えています。

「会議が変われば社会が変わる」という、A SEED JAPANでの青木将幸さんのことば。
市民ファシリテーターと同様に市民グラフィッカーも必要で、そうした人が増えていくことが、たくさんの日本の会議の場を変えていくことになるんじゃないかなーと思います。
そのためには職業(事業)として切り開くことと、人が育つ場をつくること、活躍する場をもっともっと広めること。

このあたりが自分がやりたい『サービスデザイン』なのかな、と最近考えています。

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