ビジュアルファシリテーターの阿呆な研究

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サービスデザインにおける「ファシリテーター」としての関わり方~成果と成長~

現在、とあるサービスデザイン案件で、ビジュアルファシリテーターとして参画しています。
そこで師匠筋的な方から毎回受けている指摘が「和田は教えすぎ」「オーバーファシリテーションだ」。

ワークショップ終わるたびに内省タイムに突入しています。

というわけで、内省タイムをブログ記事にしました。
ここは他のメンバーも一緒に転びながらやっている部分。
そして、私はこうした指摘やフィードバックをいただきながらできる幸運な事例かもなあ、と思っています。

数年後、サービスデザインのファシリテーションしていく人たちが一気に増えたとき、きっといろいろな人がみる壁かもしれません。
「この壁見るのは一人じゃないよ!!大丈夫だよ!!ちゃんと転んでる奴いるぜ」と伝えたくて、公開していくことにしました。(私もそういうブログ記事に何度も何度も人生救われているのでね・・・)

参考:わかったとか言ってんじゃねえよについて

「教えすぎ」の正体

「成長に責任を持つ」立場において、「成果に責任を持つ」と同じ振る舞いをすると、「教えすぎ」になるんだと思う。(2018/5/27時点での解釈)
上記参考ブログで記載されている「考える機会奪い業の人たち」ね。

【成果】に責任を持つときの関わり方
・内部の人間として、成果にコミット
・参加者が何をするのか理解しやすいよう、課題分割をする
・手順やコツを伝える
※成果=課題解決、存在している仕事とか、コンテント

【成長】に責任を持つときの関わり方
・外部の人間として、成長にコミット
・参加者が自ら本質的な価値ある学びを得られるよう、進めるように照らす役割をする。
・課題分割、手順やコツを学ぶのは参加者

サービスデザインファームというところ

サービスデザインファームということころは、案件の状況にもよるんだけど、実はかなり『【成長】に責任を持つときの関わり方』が相応に必要になってくる場所です。
コンサルタント的な立ち位置、ですね。

なんかこういう立ち位置がめっちゃゆらぐタイミング過去にもあったなーと思ったら、そうだそうだ、受託⇒事業会社に転職したときだった。

・web制作会社(受託)→クライアントの問いに対して、技術でアンサーをつくりだす仕事
・事業会社→問いを自ら立てたうえで、自ら技術やチームでアンサーをつくりだす仕事

この立ち位置の変更になれるの、恥ずかしながら私は2年くらいかかりました。
評価がついてきたのは3年目以降(このブログ執筆開始時期が、ようやく評価もついてきたあたり)。
そのくらい2年間はけっこう苦しかった。器用に学べず、失敗しまくって学習していくのです・・・

今回は
・コンサルタント→「クライアントが問いを立ててアンサーをつくりだし試行錯誤する」というプロセスを支援する
という立ち位置にジョブチェンジしたかんじですね。
とはいえ、サービスデザインの手技法については「成果」が問われる部分もあります。


プロセス・エデュケーション―学びを支援するファシリテーションの理論と実際より引用

プロセスファシリテーションの本にある、レディが定義した「グループにかかわる役割の相違点」における、ファシリテーターというのが、サービスデザインファームである私達の立ち位置にどんぴしゃだなあ、、とも思うのです。

ファシリテーターとプロセスコンサルタントは、メインテナンスプロセスにかかわる人として位置付けている。
(中略)
すなわち、マネージャーとリーダーはタスク(課題)に責任をもっており、課題達成にかかわっていく人がマネージャーやリーダーであると考えている。
(中略)
それに対して、ファシリテーターやプロセスコンサルタントの役割は少し異なる。特に、よりプロセスに焦点をあてたかかわりをする人をプロセスコンサルタントとよんでいる。
プロセス・エデュケーション―学びを支援するファシリテーションの理論と実際より引用

プロセスコンサルタントは、全くコンテントには口を出さない。そして、メンバーにはならないと考えている。
グループ外(external)の存在が実は組織開発において大事であるということを主張し、プロセスコンサルタントという働きの重要性を強調している。
その中で、ファシリテーターの役割は若干曖昧であるというか、幅広くとらえられているところがある。組織のメンバーとの関係においてどこに位置するのかのバウンダリーに関して、内部の人間でもありうるし、外部者でもありうるといった位置づけである。
コンテント(課題や仕事)に責任を負うこともあるし、メインテナンスに関するプロセスも大切にして扱おうとする人物でもある。
(中略)
そういう意味では、ファシリテーターは非常に柔軟な態度を持ち合わせた人物といえるかもしれない。
プロセス・エデュケーション―学びを支援するファシリテーションの理論と実際より引用
※強調は著者によるもの

そうなんだよ・・・・。
この柔軟さこそが、実はとても大事なんだよ~!!と、プロセスエジュケーションを再読して頷きまくってしまいました。
私はこれまでいた場所で身に着けていた「成果」ベースのファシリテーションしがちだったんだなあ・・・。ううむ。

サービスデザインファームは、「デザイン」という文字から、アウトプットとしての成果が問われそうだけど、実はそうではない側面強くて。
実は、「(ものやサービスの)生みだし方を変える」という、人の成長に相応に関われる場所でもあるのです。

これからもサービスデザインファームにて、ファシリテーターとしてプロジェクトにどっぷりつかって悩みながら、立ち位置を組み替えていこうと思うのでした。

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