ビジュアルファシリテーターの阿呆な研究

Read Article

計画性ゼロ&コミュ障の私でもできるようになった!webディレクター1年生の時教わった進行管理の要所5点

小中学生時代、夏休みの宿題絵と作文を書くこと以外のほとんどを放置し、8月31日に泣きながらやる・・・ということを繰り返していた。やりたいことは集中しやりたくないことは徹底放置。しかもコミュニケーション苦手。そんな残念っぷりを如何なく発揮し成長したため、当然、大人になった今でも進行管理は苦手だ。「自分の管理さえままならないのに、他人も含めたプロジェクト管理なんて恐ろしすぎる。」そう思っていたけど、どういうわけか社会人になったら進行管理のお仕事もする必要にせまられ、無我夢中でこなし、現在に至った。

現職で進行管理ベテランの先輩に「進行管理苦手だ」と話したら、「え、あなたって進行管理苦手だったの?そうは見えなかった」といわれてびっくり。一応webディレクターのレベルには達したのかもしれない。その礎を築いてくれたのは、前職制作会社で私の教育役だった敏腕ディレクター、Yさんの功績だ。私の進行管理は今もYさんが目標。こんなダメ人間でもどうにか進行管理できるようにまでしてくれた、Yさんの教えをここにまとめようと思う。

※これは私のような計画性ゼロ&しかもコミュ障の人が読むことを想定しています。計画性にあふれ、コミュニケーションしっかりとれる人にとっては、「なんという当たり前すぎる話!」となることまちがいなしです。

webサイトを作るときの進行管理ポイント要所5点
1:全体のタスクをもれなく洗い出し、ページ単位におとす
2:ページを分類する。
3:作業者のスピードを考慮し、スケジュールをひく
4:スケジュールを作業者と確認者に相談し、確定する
5:作業者のタスク進捗状況を毎日チェック

1:全体のタスクをもれなく洗い出し、ページ単位におとす


Opa-locka, Florida / State Library and Archives of Florida

とにかくぬけもれがないように。「こういう機能がほしい」という要望もまとめて、全部ページ単位におとす。
例えば「お問い合わせの機能がほしい」なら、『フォーム画面』『確認画面』『サンクス画面』は必須だろうし、個人情報収集にあたると思われるので、当然『個人情報保護について』というようなページも必要となる。1機能4ページ。

2:ページを分類する。


#Griswolds / AngryJulieMonday

ページを分類各分類項目で、各ABCの項目のうち上の方にある要素ほど先にかたづけるよう考える。工数かかるものは先にやらないといけぬ。
また、テンプレート化できる部分は、一個テンプレ作れば、あと残りはひたすらいれるだけ。テンプレ化すれば、工数削減できるし、もし量産する場合も技術力が低い人でもできる可能性が高い。

A:コンテンツの分類
・内容が曖昧で、変更する余地のあるもの(要件定義確定させなきゃいけない)
・内容がほとんど決まっていて変更しないもの

B:確認の分類
・確認者が多く、確認に時間がかかるもの
・確認者が少ないもの

C:HTMLの分類
・CMSの組み込みをするもの(後に組み込みをする人がいるもの)
・技術的に追加工数が必要なもの(javascriptの実装や、スマホサイトでの端末動作検証など)
・テンプレート化できるページのテンプレHTML
・テンプレート化できないもの
・テンプレート化できるページのうち、テンプレHTMLにはめこむだけのもの

3:作業者のスピードを考慮し、スケジュールをひく。


Someone’s Lost Schedule Book / ASurroca

作業者の作業スピードを考慮し、スケジュールにはめていく。この段階で間に合わない部分がみえたら、人員をふやすとか一部を外注にする、五月雨式にリリースするとか考える。

私は以下を基本に、スケジュールをひいている。

デザイン
・トップページ:3-4日/ページ 修正2-3日/ページ
・キャンペーンなど1からデザインするページ:2日/ページ 修正0.5-1日/day
・テンプレート化するページのテンプレデザイン:1-2日/ページ 修正0.5-1日/day
トップページはサイト全体のデザインを決める。1ページでも普通のページの3−4倍以上の時間が必要。バリエーションをだすならもっと必要。

HTML
・トップページ:2日/ページ 修正1日/ページ
・キャンペーンなど1からデザインするページ:1-2日/ページ 修正0.5-1日/day
・テンプレート化するページのテンプレHTMLや、CMSの組み込みをするもの:2日/ページ 修正0.5-1日/day
・技術的に追加工数が必要なもの(javascriptの実装など)・・・こればかりはコーダーに確認しかない。自分で判断すると「そんな工数じゃできないよ」「そもそもこれ無理」となる可能性高い。

テンプレ化するデザインやHTMLは、何の要素をいれても大丈夫なよう、拡張性をもつようHTML作成しなくてはいけない。当然、拡張性があるデザインをつくらねばならないし、コーダーも頭をつかって作る必要がある。ゆえに、デザイン確定させる前にコーダーにその旨伝え、拡張性ありそうなデザインかどうか見極めたり、HTML工数を多めにとる必要がある。

※ベテランさんだったら上記もしくはもっと速いスピードでいけるし、経歴の浅い方は修正時間を多めに取るなど、プラスで時間をとることが必要。

4:スケジュールを作業者と確認者に相談し、確定する。


Meeting nieuwe leden / Voka – Kamer van Koophandel Limburg

だいたいのスケジュールがきまったら、確定する前に作業者と確認者に相談する。これやらないと信頼失墜しますよ、いやまじで。

作業者からは「ここは技術的な理由で検証が必要だから、工数もっとかけてほしい」「ここはもっと早くいけそうだよ!」というような、スケジュール対応できそうかという意見をきく。意見をきいたらスケジュールに反映。

同じく、確認者にも相談。特に、対クライアントの場合は「実はどこかで社長確認をいれたほうがいいんです」というパターンもある。このときの社長の声の強さは異常。社長がNOといえばプロジェクトのすべてがおじゃんになりかねない。要所要所で社長に確認をいれていくよう進行を調整するなど、最終意思決定者の確認ポイントを明確にする。

私が特に課題だったのは、まさにここ。作業者と確認者への相談。
webディレクター一年生のときは、「たぶんできるんじゃないか」でスケジュールをひいて確定させ、そのとおりにクライアントに説明→作業者に説明したら、「そんなスケジュールじゃ無理だよ」というフィードバックの嵐にあった。作業者から「azumiの案件は無茶苦茶なスケジュールをひくのでやりたくない」といわれたことも多々ある。無理矢理スケジュール短い中でどうにか完成させても、クライアントのチェックを通らず「全然できてない、やりなおして!」と怒られて、徹夜で修正指示書をつくったりもした。作業者、確認者、もしくは両方・・・信頼を失って進める案件は地獄そのものだった。

5:作業者のタスク進捗状況を毎日チェック


Day 54: Checking Out My Schedule / Bryan Gosline

作業者の何が何%進んでるか、自分のみならず他ディレクターから依頼されてるような内容も把握しておく。ランチのときちょいときいてみるとか、毎晩その人が帰る前にでも「今どんなかんじ?」ってきくとか。とにかく、この声かけ&コミュニケーションがスムーズにいくことが大事。

このとき、他人がその人に依頼している内容と工数も把握する。もしもその他ディレクターの依頼内容と、作業者の工数把握が乖離していたら、すぐにでもそのディレクターに状況を伝えるべきだ。別にやさしいわけではない。そのままの状態で案件が進み、公開直前になって作業者が「え、これまだやってないですよ」というのが、自分の案件もしくは他ディレクターの案件どっちかで発生する・・・という事態を防ぐためだ。もしそこで自分の案件の優先順位が何かしらの理由で他人より低いと最悪だ。優先順位が高いほうからやる、という理由で、自分の案件があとまわしにされてしまう。
このように、他人のコミュニケーションミスが起因で、自分の公開想定日をずらさざるを得ない場合もある。そんな事態にならないよう、人の案件でも「あれ、おかしいな?」と思うことがあったら、すぐ関係者にアラートをなげることが必要だ。自分のプロジェクトを守るために。

あともう一点。作業があふれて進捗がおくれていそうな作業者をみつけときの対策はすぐにでもやるべき。すぐにでもタスクを分割し、外注含めた他の人へ依頼する、関係者に相談し影響低いものを一部スケジュールずらすなど。作業があふれてどうしてもタスク分割ができない、スケジュールをずらせないというにっちもさっちもいかない場合は上司や先輩に相談して、判断をあおいだほうがいい。一人ではまず解決しない。絶対にどうにもならない。

そんなこんなで予定がずれることも多々あるが、その場合はスケジュール表にも必ず反映し、確認者、関係者すべてへ告知する。

私の場合、とにかくスケジュールを印刷してデスクにはりつけて、常に「今日の進行はどうだっけ」というのを確認していた。そうじゃないとうっかり忘れてしまうんだもん。。

———-
ここまで読んで「あたりまえじゃん!」って思った方。あなたは至極全うです。

でも、私にとってはあたりまえじゃなかった。学生時代は一人でwebサイトをつくってたからスケジュールなんて調整する必要なかったし。コミュ障ひきこもり気味で人と話すのが苦手、人の考えていることを正しく認識すること難しかったし。そういう計画性0、コミュ障状態の私に進行管理の教育をして、都度都度アドバイスをくれたYさんは、本当にすごい方だった。今でもありがたいなって思ってる。お元気にされているだろうか。

前職で私の入社3年目くらいまでを知ってる人がこの文章をよんだら、絶対「azumiが進行管理についてえらそうなこといってるwww、pgr」となると思う(笑)そのくらい私の進行管理はダメダメだったのですよ。web制作会社は納期が命だから、進行管理がいけてないのは致命的だよねえ。うん。恥ずかしい。orz

でも、現在の職種は、進行管理と同等かそれ以上に数値達成のための施策立案やUX・UI設計が求められる。私はwebディレクターとしては、そっちのほうに強みがあるし、なんてったって好きだ。だから、相変わらず進行管理苦手で苦しみつつも「webディレクターやってて楽しい」と心から楽しめるのかもしれないなあ。

URL :
TRACKBACK URL :

Leave a Reply

*
*
* (公開されません)

Facebookでコメント

Return Top