Vomiting pumpkin for Halloween / abbamouse
昨日歓迎会で行った居酒屋の飯がすこぶるマズかった。
(※決して幹事のKさんをせめているわけではない。むしろKさんは店側に苦情申し立てをしてくれたので感謝すらしている点、前置きしておきます。)
ポジティブで社内にその名を馳せる先輩@mardoc96氏でさえ「大学時代を彷彿とさせる飲み屋」と形容するしかないその居酒屋。
ダメ人間の私が接客態度について苦情申し立てしてもなんの説得力もないので、この場での言及は控える。
しかし、コンテンツディレクションを日々している身、そして日々飯をつくる者として、飯のマズさについては一言申せる立場にあるのではないだろうか。よい機会だから、その店の例をあげて、「どうすればご飯がまずくなるか」を考えることにした。
Let’s マズめしディレクション!
- 「効率化」と称した手間省略
preparing the plates for the “manicotti” / schmuela
まず、サラダ。千切りキャベツの上に、トマト、春巻きの皮をあげたものがのっていたのだが、生野菜が水っぽくてべちゃべちゃしていた。
キャベツはちゃんと水きりをしなかった上、ドレッシングをかけて時間がたっていたのだと思われる。また、トマトは1cm四方に切った後かなりの時間放置していたためか、水分がもれでていた。
千切り後水っぽさが気になるなら、水切り機を使って極力水を切り冷蔵庫に放り込んでおけば、冷蔵庫がさらに水分とってくれて、数時間の間野菜はパリっとするのだが・・・その「水を切る」という手間を省いたのは、マズめしディレクションの定石をちゃんと守ったよい判断だと思う。
また、トマトをミニトマトのような水分でづらいものに切り替えなかったり、客にだすかなり前にドレッシングをかけていたのも、水っぽさをさらに増すよい進行管理だった。
リリースまで時間がないから「大丈夫だろう」とチェックを省いた結果、一部ブラウザでまったく動作しない何かをリリースしてしまった瞬間を思い出しますね。てへぺろ。
- 中身がないなら、どうでもいい物でボリュームアップすればいいじゃない!
Deep fried delight / leepus
次にでてきた白身魚の天ぷら。(何の白身魚かは不明)
幅5cm、長さ10cmほどの天ぷらだったのだが、かじってみると口に広がるのは、油と油とそのまた油。
衣をはいでみたら、中から幅3cm、長さ5cmのうっすい白身魚がでてきた。
そう。中身がなければ、いくらでもどうでもいいものを追加して、増量すればいいのだ。SEO対策と称して、どうでもいいテキストをふんだんにいれまくったり、<strong></strong>タグをむだに追加したりした大馬鹿webディレクターのように。(←過去に弊社で本当にいた)
さらに。油っぽさを満喫してもらうためには、口なおしとなるような大根おろしやレモンなどの添え物は決してつけてはいけない。せっかく増量したどうでもいいものの味を満喫してもらうのに、添え物は禁物である。
- アイキャッチは絶対作らない
SilverCarriage Tongue French style / snowpea&bokchoi
鍋らしき物体も存在していた。
入っていたのは、キャベツ、輪切りの人参、ねぎ、薄い豚肉、さしみを転用したであろう何かの魚のきれ数枚。
はたして、これは何鍋なのであろうか。誰もわからないまま、鍋をつついていた。
寄せ鍋といえば何かまとまりそうだが、寄せても主にキャベツがでてくるだけで、中身が充実してもいない。
例えるなら、アフィリエイトやブラックSEO(リンク増産)のために構築された、テキストだらけの無料ブログの謎のページ。相手に「自分の存在が何なのか」を一発で伝えるためのアイキャッチなんてものは、決して作ってはいけないのだ。
当然、アクセントとなるような浅葱や、千切りの唐辛子、柚の皮、木の芽などを追加するのなんて言語道断。ひたすら同じような何かを味わってもらうことにこそ、マズめしの真髄があると思う。
※後日談:翌日店のホームページをみたら、謎の鍋は寒ブリの寄せ鍋だったらしいことがわかった。ブリ食ってねえよ私
- 以上のような料理をひきたてる、プラスチックの食器たち
CVS / semarr
鍋を入れる器、箸など、いたるところに見られたのがプラスチックの食器たち。
焼き物や瀬戸物は割れたら片付けたり、代用品をさがすの大変だもんね。それに軽いと運搬しやすいしね。進行管理する上ではプラスチックは欠くことができないポイントでしょう!そして安っぽさをひきたてるグッドデザイン!
マズめしディレクションにはかかせない、進行管理性とデザイン性を保った配慮。すばらしい。
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こんな素敵なマズめしディレクションを見せてくれた、新宿歌舞伎町の某居酒屋。
私はディレクターとして溢れる敬意を表したいと思います。
どうしようもない料理を前にすると、あまりの困惑に皆の話が進み、歓迎会にふさわしく参加者一同仲良くなることができるよ。そう、マズめしならね。
ごきげんよう。
※画像はイメージ図です。実際の料理は撮影しそこねた
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