ビジュアルファシリテーターの阿呆な研究

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旅のスゴ本オフにいってきた #旅のスゴ本

ひとは、人生の必要なタイミングで、必要な本と出会うことができる。
そう言ったのは誰だったんだろう、思い出せない。でも、6/2(土)に参加した、旅のスゴ本オフで、あらためてその言葉を思い返して、真実だなあと感じました。
※スゴ本オフのFBグループはこちら

スゴ本オフにおける、本との出会い方


本棚。 / senov

スゴ本オフは、いっぷう変わった本との出会いを提供してくれます。ルールは以下。

・テーマにあわせて、自分が好きな本をもちよる
・その本について、みんなの前でプレゼンしあう。
・最後に、本を放流しみんなで交換。
プレゼンをきいてほしいと思った本をもらうことができるが、欲しい人が複数の場合はじゃんけんになったり、譲り合いをしたりで解決。

この過程でポイントなのが、「その本について、みんなの前でプレゼンしあう。」という点。

「好きな本をもちよって、まったり熱く語り合う。凄い本と出会えるだけでなく、それを読んでる人から直接オススメされる。スゴ本オフは、文字どおり、「わたしが知らないスゴ本を読んでるあなた」との出会いの場でもあるんだ。」
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる(スゴ本 = すごい本)

わたしが知らないスゴ本を読んでるあなた、と出会うのは、本屋で本とであったり、誰か知ってる人からリコメンドされるのとはまた違う体験なのです。

本屋で本と出会う場合、あくまで出会うのは本と自分。
そこに他者との出会いが入ることは稀です。(本屋の人のPOPなどで介在することはありますが。)本屋でふらふらしながら本との出会いを期待する場合、広い広い砂漠の中からたった一粒の砂金を見つけるような気持ちになります。本はいたるところから無尽蔵にわいてきて、読んでも読んでも読んでもきりがないし、「これだ!」と思ってすくい上げても、本当に心にささる本と出会える確率は決して高くないから。失敗を何度繰り返しても、その砂金探しの過程そのものはやっぱり楽しいし本屋は好きなので、たぶん私は筋金入りのマゾ冒険者なのかもしれません。

一方、知ってる人からのリコメンドの場合。
「この人からの推薦だから」という、その人への信頼があるからこそ本と出会うことができるのだと思います。相手が自分にむけて推薦してくれた場合、その本は他人からみて、自分に何か必要に見える本ということ。一方、ブログなどで知人が大多数にむけて推薦していた場合、推薦者への信頼感と自分の心が重なったからこそ、必要に見える本ということ。いずれにせよ、相手への信頼があってこその本との出会いだと思います。

スゴ本オフとの出会いは、いずれの方法とも違う、新しい本との出会い方でした。
基本、あるテーマにそって、はじめて出会う相手が推薦する本と出会いとなります(もちろん参加するごとに、知り合いは増えるけれども、初参加の方もいるのではじめて出会う人は必ずいる)。他者との介在が入るけど、その他者もバックグラウンドをあまりしらない方々。

けど、その他者は自分の「これを読んでよかったよ!」という気持ち一本で、本をすすめてくれます。その本を薦める背景にある、私が知り得ない無数のバッググラウンド。そのバッググラウンドはほとんど知らないけど、そこから溢れた相手の気持ちと、自分の気持ちがシンクロして本を介在して出会うことができる・・・そこに「スゴ本オフ」の面白みがあると思います。

私が今回、スゴ本オフで出会った本たち

そんな私が出会って家につれて帰った本は以下。翌日には2冊とも読破してしまいました!
・日本はじっこ自滅旅 鴨志田穣
・夜のピクニック 恩田陸

日本はじっこ自滅旅(鴨志田穣)

「日本はじっこ自滅旅」は、夫婦関係(「仕事>家族」となりがちな自分に対する悩み)から、夫婦関係について考えたかったから手に取りました。西原さんの本は数冊読んでいて、女側からみたダメな男とでもほっとけない気持ちは共感しつつ、私はばっさり切るだろうなあとも思っていましたが・・・男側からみた女ってどうなんだろう?と思ったことがきっかけです。
基本、酒をのんで日本のはじっこを目指し、あまり楽しくもないのにバーで女性と飲んでは吐血して・・・という、楽しさのかけらもないような旅日記。読んでて鬱な気持ちになります。何かから逃げているようにしか思えない話なのですが、最後にあるお店で心地よくお酒を飲むことができたシーンでこんな一文があります。

元気よく飲んでいられるのは、ママが別れた女房に顔型も雰囲気もそっくりだったからだ。
昔を思い出していただけなのだ。
旅にでる理由の一つも解った。
心落ち着く場所がどこにもない。
しかし、それに気づいても心が落ち着きを取り戻すことはないだろう。
「日本はじっこ自滅旅」鴨志田穣

男からみた女の姿。私は相手にとってそういう女たりえるだろうか?と自分を振り返らざるを得ませんでした。

夜のピクニック(恩田陸)

これは純粋に「甘酸っぱい、きゅんきゅんするよ!」というやすゆきさんの推薦を、私がものすごーーーく欲していたからです(笑)村山由佳の「美味しいコーヒーのいれ方」シリーズのようなキュンキュンする感じの本、最近読んでいなかったので。で、さっそく読破したら、、、目的通りキュンキュンできたうえ、同時にこんな文章たちに気持ちを奪われてしまいました。主人公の親友忍が、ストイックな態度を貫く主人公にむかっていった言葉と、それをうけて主人公が感じた気持ち。

忍:雑音だっておまえを作っているんだよ。雑音はうるさいけど、やっぱ聞いておかなきゃなんない時だってあるんだよ。
(中略)
おまえにはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが聞こえるのって、今だけだから、あとからテープを巻き戻そうとして聞こうと思ったときにはもう聞こえない。おまえ、いつか絶対、あの時聞いておけばよかったって公開する日が来ると思う。

主人公:今は今なんだと。今を未来のためだけに使うべきじゃないと。

私は、常に未来にむかって「今何をすべきか」を考えるタイプ。ある種打算的。受験勉強は「将来やりたいことがやれる大学に入れるかどうか(学歴フィルタで問題にならないか)」、夫と結婚するタイミングは「仕事しつつ子供をいつ産むかどうか」、スティールパン演奏してるのは「仕事以外でリフレッシュして積み重ねる場所をもうけて気持ちを変える」とか。
その時々の感情や私にできることをベースにしつつ、先をみて問題が生じないような手をうってきました。今もそう。「今よりもっと伝えるものをつくるのに、何が必要か」その一点で所属する会社、夫との関係性、余暇の使い方までを見つめてきました。
だからこそ、「今は今なんだと。今を未来のためだけに使うべきじゃない」が響きました。きゅんきゅんに加えて得る所がおおくて、この本に今であえたことがとても嬉しかったです。

入手できなかった 「パタゴニア(椎名誠)」

旅(仕事)と夫婦関係の葛藤を描いた椎名誠の「パタゴニア」が読みたかったのですが・・・じゃんけんに負けて入手できませんでした。読みたくてたまらなくて、オフ会後4件本屋をめぐりまくってもみつからずしょぼくれて家に帰って上記2冊を読み終えふと本棚みたら、、、なんと家にありました!夫が結婚前に家からもってきたものでした。愕然。
オフ会じゃんけんに負けて、お譲りすることになってよかった。これから読みます。
※私と夫を知っている方へ、いちおう補足:私は夫婦関係に悩んでいる、とここでは書いていますが、仲悪いとかそんなんじゃ全然ないです。基本的に新婚ラブラブ暑苦しい状態の維持を心がけていますが、私側はときどきバランスが崩れるので均一にしたいなあと思うているのです。(夫はあまり態度かわらん。すごいなあと思う。)

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こんなかんじで、スゴ本オフでは、今の自分の何かとシンクロする本とおもしろい形で出会うことができます。

スキな作家さんの本は読み尽くしたとか、次に何の本を読みたいかわからない、という人にとってはぴったりかも!私もまた気になるテーマがあったら参加したいと思いました!

私の放流した本も、参加者の方の気持ちをゆらして人生を明るくしてくれますように!

※旅のスゴ本オフについての情報
togetter:あらゆる世界を旅する本を集めた「旅」のスゴ本オフまとめ。
ダインさんの記事:この「旅」の本がスゴい (本を全部網羅しててすてきすぎるうう!ぜひよんでほしい!)

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