ビジュアルファシリテーターの阿呆な研究

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Pricelineのおっさんの存在意義をひたすら考えてみた


Priceline.com
という、海外ホテルや航空券を買えるスマホサイトが好きだ。
一画面ですっきりまとまったフォームや、色使いのよさも好きな要因だが、やっぱり一番はおっさんの存在感。
特にサイトの顔ともいえるトップページで、ひときわ輝く、おっさんの存在感。

このおっさんは何なのか。
おっさんがこんなとこにいる必要があるのか。
何ゆえおっさんなのか。
画面におけるおっさんの存在意義を考えてみようと思った。
※おっさんがメインキャラクターだから使う、以上だけかもしれんが今回はそれは気にしないで考察することとする

  • おっさんについての疑問


おっさん存在感はんぱない

まず、トップページをみてみる。問答無用でおっさんが目に入る。
これはみんなおっさんが好きだから、ではなく、単に人間は顔の形をした何かに注意をしやすいから。つまりおっさんじゃなくても、巨乳のお姉さまでもなんら問題はない。多分これ使うビジネスマンにはお姉さま(と乳)のほうがアイキャッチになるのではと思う。

おっさんをひきつづき眺めると、おっさんの滑らかな手のすべりに目が行き、手の先が指し示すサイトのロゴへとたどり着く。そして、青と対比の色である、各種ボタンを認識する。このボタンこそ、プライスラインの主要導線の、ホテル検索、レンタカー、航空券検索への誘導だ。

しかし、ここで疑問が生じる。なにゆえおっさんが上部に鎮座し、特にメインであるホテルの導線のフォームを、ワンタップしないと開かない形状にしたのか?主要導線でワンタップ手間が多くするのは、突破率を下げる大きな要因となりえる。設計上相当な意図がないとやらないはずだ。ぶっちゃけ、ホテルのフォームをはじめから全開にしても、ファーストビューにレンタカーと航空券検索への誘導は入る。ファーストビューの高さの三割、おっさんが食ってるのだ。おっさん食いすぎだ。

まとめると。おっさんの存在意義の疑問は

•なぜ美しい女性でなくおっさんがビジュアルとして用いられたか?
•ファーストビューの三割を食うおっさんのでかさは正当か?

という二点である。

  • 疑問1:なぜ美しい女性でなくおっさんがビジュアルとして用いられたか?


おっさんがビジュアルとしてよいかの是非を問うのには、性別と年齢によるイメージでの分類をしてみるのがわかりやすいと思う。

例えば、私はサイト内で人間の写真をつかうとき、以下のカテゴライズをしている。

年齢若い女性・・・楽しい、フレッシュ、きらきら、明るく親身、プライベート
年齢上の女性・・・やさしい、親切、じっくり、おだやか、プライベート
年齢若い男性・・・エネルギッシュ、熱血、やる気がある、ビジネス
年齢上の男性・・・どっしり、落ち着いた、安心して任せられる、ビジネス

ってかんじ。
性別×年齢でイメージするキーワードと、サイトの目的を照らし合わせて、一番近い写真の人を選んでいる。
プライスラインなら、プライベート旅行で使われる頻度が高いなら「年齢若い女性」、出張多いなら「年齢上の男性」の写真がよいとこだろうか。
しかし。おっさんは違う。「どっしり」「落ち着いた」「安心して任せられる」「ビジネス」ではない。
体系はどっしりしてるが、なんか手とかあほらしいうごきだし、落ち着いてなくみえる。シュールだ。安心できない。スーツきてるのに、ビジネスマンのまじめさをいっさいかんじない。この裏切られた感はなんだ。もやもや。

このおっさんの存在矛盾こそ、私は存在意義だと思った。
ここに、親切そうなお姉さんや、出張をナビゲートしてくれそうなおじさまをおいても、予定調和になるだけだ。予定調和くそくらえ。
だったら謎のおっさんのほうが、インパクトあるのではないだろうか。

  • 疑問2:ファーストビューの三割を食うおっさんのでかさは正当か?


おっさんどどーん

インパクトがあるから、という理由だけで、まったく訴求になりえないおっさんをおいておくことに価値はあるのだろうか。
個人的には、おっさんは元々なくてもよいページなのでは?と思う。ここはあくまで「ホテル」「レンタカー」「航空券検索」の分岐であれば本当によいだけのページが骨格だからだ。ホテルの検索フォームは、この要素らの中ではもっとも優先順位は高いので、ページ遷移ではなく同ページ遷移だが、ファーストビューを9割独占するほどの優先順位はもってない。おそらく、ホテル:レンタカー:航空券=4:3:3っていうとこか。
しかし、ホテル:レンタカー:航空券=4:3:3だと、単純すぎてつまらないのかもしれない。
訴求などが何もない、ただの分岐導線。さみしすぎる。
・・・さみしいからおっさんでも犬でもいいからなんかつけてあげたいと思ってしまうのは、私だけだろうか。せっかくつけるなら、インパクトあるほうがよかろう。

———-

というわけで。おっさんの存在意義はわりとある、という結論に達しそうな気がしてきた。
おっさんはすごいのだ。多分。
・・・・しかし、自社サイトにシュールな自社のおっさんをだすのはなかなか難易度が高い判断だと思う。ディレクターの勇気に乾杯。

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Comments & Trackbacks

  • Comments ( 1 )
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  1. 初めまして。通りすがりの者です。わたしもこの「おっさん」の起用が疑問でしたが、実はスタートレック(昔バージョン)のキャプテン・カークらしいですよ。本国アメリカ人ならたぶん気づくはず。今はもう見る影も無いですが。。

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