ビジュアルファシリテーターの阿呆な研究

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初心者&コミュ力なし人間もできたよー!UI改善につなげるグループインタビュー


Jessie talks to Lance & George / openlibrary.org

「UI改善のためにグループインタビュー、ユーザーテストしたいんだけど、何から考えたらいいの?」とwebマーケティングしてる先輩から相談された。
ユーザーの声をきく、っていっても、ユーザーの意見をただ100%きけば、UI改善できるわけでもない。納期や工数の限界もある。
何をかくそう、私もある日突然上司から「ユーザーテストやってみたらなんかわかるんじゃね?」といわれて、ガクガクブルブルして何していいかわからず途方にくれたうちの一人だ。初めてだと何していいかわからなくて途方にくれるので、同じく途方にくれる人にむけてまとめてみようと思うた。
ちなみに私はテスト初心者でコミュ力なしなので、一般ユーザーはハードル高杉。無理。死ぬ。ってなわけで社内の関係者でない人たちにテストをお願いしていた。

ポイントは5点。

・定量的調査などで、仮説をたてる。
・テスト内容は紙に印刷。2題程度が限度。
・ユーザーの声を聞いて解決策をだすのではない。態度を見て問題点を洗い出す
・実装関係者も一緒に参加して問題意識を共有
・お菓子は最強のアイスブレイク

  • 1:定量的調査などで、仮説をたてる。


selective tuning / Functional Neurogenesis

まず、仮説をたてて、何をユーザーテストで解決したいかを明確にする
例えば私が実施したときは、「突破率の一番悪いスマホのフォーム画面、どこでユーザーが止まってしまうか?」だった。
PCの画面遷移と比較して、スマホのフォーム画面は突破率が著しく低かった。しかし、ネックになっているのが1番目の項目なのか、最下部の項目なのかは滞在時間や突破率分析では断定できなかった。ゆえに、ユーザーがどう動いてどこでつまづいてるのか、グループインタビューでみんながさわっているところを見て、問題点を明らかにしようと考えたのだ。
仮説なくただユーザーが使ってるところを見る、だと、何をみていいかわからなくてパニックになるので、絶対やめたほうがいいと思う。

  • 2:テスト内容は2題程度が限度。紙に印刷。


Printing my articles / the Italian voice

1でたてた仮説をもとに、ユーザーテストのお題をつくる。
「春休みの海外ツアーを予算○万円で探してください」とか。ユーザーテストの時間はせいぜい1.5時間が限界。それ以上だとだらけてしまうので、問題数は二題程度が限度だと思う。
で、そのお題を紙に印刷。テストについての感想(よい、ややよい、普通、やや悪い、悪い とか)の指標と理由を自由にかける欄もつけておく。テスト中ユーザーがふと思ったこととか、うけた印象を紙にかいてくれるので、もれが少なくなる。あとから見直すにも便利。

  • 3:ユーザーの声を聞いて解決策をだすのではない。態度を見て問題点を洗い出す


Village Voice Newspaper Cover: October 2011 / carbonfibreme

「このボタン色は緑ではなく赤いほうがいいよー」「こういうイラストあったら見やすいと思う」など、ユーザーが色々意見を言ってくれることもある。また、何も意見をいわない人もでてくる。そういう時は、声(無言)の裏にあるその人の態度に目をむけるといいと思う。「なんでこの人はこのことをいうのか?」という点にとことん集中して意見を深堀りしてみると、よい発見がある。

例:あるフォームのボタンについて

ユーザー「このボタン色は緑ではなく赤いほうがいいよー」
インタビュアー「そうなんですね。どうして赤がいいって思いました?」
ユーザー「うーん、なんとなくみやすそうだと思った」
インタビュアー「(ユーザーの人、フォームをさわってたとき、ボタンをとおりすぎて下の方にスクロールして、また上にもどってしまっていた。ボタンに気づかなかったから、目立たせてほしいと思ってるのかな。)」

ここで大事なのは、ユーザーがボタンにきづいていないで下にスクロールしてしまっている、という問題点をだすこと。
ボタンに気づいてないなら、ボタンを赤にする、大きくするか、ボタンの文言を変える、ボタンの位置を変えるなど、アプローチ方法は多々ある。
テストはあくまで問題点をだすためのもの。問題点を解決するための方法は、UI全体の整合性をとるために、自分で考えるべきだ。ユーザーにゆだねるべきではない。

  • 4:実装関係者も一緒に参加して問題意識を共有


Together then and now / zenera

改善には当然人的工数が必要だ。人的工数を捻出するには、成果見込みのような客観的根拠のほかに、関わる人のモチベーションが大事になってくる。
モチベーションをあげるには、直接ユーザーの声と態度をきいてみるのが一番だと思う。
だから、私は自分(webディレクター)の他、かならず工数をとってもらうシステムの同僚に同席してもらっている。一緒にユーザーの声や態度を見て、話して、問題点をあぶりだしていくフローを経ることで、おのずと何の問題が致命的なのか、何が軽いのかというのが共通認識がもちやすくなる。解決策も一緒に考えやすくなる。
一人でグループみんなの動作をみて、一人で問題点あらいだして、一人で解決策ねって、周囲のモチベーションをあげる動きをするほど、私はコミュ力高くはないし。そういうの一人でできる人尊敬する。

  • 5:お菓子は最強のアイスブレイク


湖池屋ポテトチップス海苔塩・カラムーチョ / kawanet

最後に。お菓子を食べながらのんびりテスト、くらいだと楽しいし、意見もでやすいと思う。参加者みんな、通常の仕事をさいたり、残業してテストに参加してくれるのだ。堅苦しい会議だと気分憂鬱度が増す→意見いいづらい→めんどくさい となってしまうので、できるだけ楽しくわいわいはなせる雰囲気をつくるよう気をつけていた。コミュ力ないからそんな暗い雰囲気打破できないよー死にたくなるよー。それに何より、自分も気楽にいろいろ質問することができた。お菓子さまさま。お菓子万歳。
※ちなみに、上司から一回500円程度のお菓子代をポケットマネーからもらっていた。笑。効果高い投資だと思うよ!

以上、初心者による初心者のためのUI設計改善でした。

あと、以下リンクが役にたった。
・自社リソースだけで行う、グループインタビューのツボとは? 〜NHN Japan ディレクターブログ
実際の画面やサンプルのガントチャートと資料があって参考になる。

この本熟読した
マーケティング・インタビュー 問題解決のヒントを「聞き出す」技術 上野啓子
インタビュアーと対象者の会話実例がたくさんのってて、質問するイメージがしやすかった。

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