ビジュアルファシリテーターの阿呆な研究

UXデザインのための観察リサーチ入門 ~ユーザーテスト、ユーザーリサーチの基礎力を体験して学ぶ~を開催しました

img_150906産業技術大学院大学人間中心デザイン同期のメンバーを中心に、「みる研究所」という組織を立ち上げまして。
第一回のイベント『UXデザインのための観察リサーチ入門 ~ユーザーテスト、ユーザーリサーチの基礎力を体験して学ぶ~』を開催しました。
「みる」(今回は観察(オブザベーション))することの必要性、そしてワークショップで得たかった学びについて、色々考えさせられたイベントでした。
今回はそのあたり、つらつら書いていきたいと思います。

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「みる研究所」について

UXデザインを学び、実務をやっていく中で痛感したのは、『一人でやることの限界』でした。
自分とは違う多様なステークホルダーと一緒に、自分とは違う多様なユーザーのためにデザインをする。
そんなものづくりの過程において、どんなに学んだとしても、自分の力の及ぼせる範囲は限界がある、と痛感しました。
同時に、誰かの意見から想定してない世界が開けるのを何度も何度も感じました。

ずっとこうやって、ものづくりをしていきたいなあ。

そう思ってた矢先、代表の津崎さんの「産技大のメンバーとこれからもつながっていたいーーー!!」言葉に思いっきり引きこまれて。
組織を超えてUXデザインを学び、実践する場として「みる研究所」を立ち上げるに至りました。

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消化しきれない自己嫌悪、どうすれば消化できるか?

img_15090210代の頃失恋したときは、数歩歩くたびに涙がでてきたし、言葉を発しようとするだけで嗚咽が出てきた。
ぐるぐる考えれば考えるほど、どうにもならなくて。
電車にも乗る気になれず、泣きながら歩きつづけた結果、セーラー服とローファーで多摩丘陵を山越えしてしまった。

私は何か考えたくなると、とことんぼーっとして歩いてしまう癖がある。
三十路超えててこんなこと言うの恥ずかしいのだけど。
ここ2週間くらい、自己嫌悪の真っただ中にいたので、やっぱり都心をぼーーっと歩いてしまった。
恵比寿から世田谷。中目黒から世田谷。下高井戸から世田谷。
多摩丘陵の山越えに比べれば存外近かったように思う。
さすがにもう、数歩で涙なんかでてこないし、言葉を発してもすぐ嗚咽なんてでてこないけど。
家族とか、気を許した友達の前にいくと、ふと消化できなかった自己嫌悪と涙が出てきそうになって困ってしまった。

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webディレクターが上流工程を進行するときに必要な5つの力(=生態系の中で生きていく力)

img_150803デザインのディレクションをやっていると、「なんでこの組織って、こんなやり方・考え方にとどまっているんだろう?もっとこうした方がいいのに。もっともっと変えたい!」と思うことが本当にたくさんある。
クライアントワークしかり、自社サービスしかり。

自分ならもっとうまく自社サービスのデザイン考えられる、と思って受託から自社サービスに転職してはや6年半。
「自分ならもっとうまく!」はとんでもない思いあがりだった。
やっぱりまだまだだなあー、もっともっと知らなきゃいけない、考えなきゃいけない部分があるっていう事実に直面している。
UX戦略フォーラムピーターモービル氏が「生態系」と話をしていた部分。
自分たちのサービスデザインにおける生態系において、問いはたくさんある。

どんなユーザーか。
そのユーザーは何を大事にしているのか。
サービスを担うステークホルダーがどのくらいいるか。
そのステークホルダーはどこにいて、何を大事にしているのか。
自分たちは何が強いのか。何が弱いのか。連鎖関係のどこにいて、どこにむかっているのか。

一つ一つの問いをひもといては、新たな情報設計と、情報設計のプロセスをデザインしていくのが私の仕事になってる。

変容する『進行管理』の意味合い

ディレクターとして1~4年目くらいまでも、もちろん情報設計はやっていた。
ただし、依頼された案件を見やすくわかりやすく整理するという情報設計。
進行管理は、エクセルでスケジュールをひいて、それを守って納期どおり進めていくというのが中心。

ただ、ここ数年その進行管理がかわってきたように思う。
そもそも『何を作るのか?なぜ作るのか?誰につくるのか?』自体をクリアにしていくことが求められてきたのだ。
いわゆる上流工程の進行管理も含まれてきたんだと思う。(下流工程もやるけどね)

この上流工程の進行管理にかかせない力が5つあるなーと最近は思う。

  1. 越境して、相手の思いや考えをひきだす力
  2. 皆の考えを可視化する力
  3. 考えを可視化したものを、現実のデザインに具現化する力
  4. 可視化したものを評価し伝える力
  5. 続ける力

『越境して、相手の思いや考えをひきだす力』『皆の考えを可視化する力』

このあたりは、IA CAMPでの三澤直加さんのプレゼンがすごくいいなーと思ってる。

役割を超えた人と人が、交わり考えるために、IAに必要なことは?
「相手の立場になってきく」「考えを可視化する」
その人ならではの情報を そのままの想いと共に抜き出し “それが伝わるように編集する”
⇒次のアクションを生むIAへ
「顧客から引き出す技術」–インタビューとグラフィックファシリテーションの共通点 by 三澤 直加 – presentation from IA CAMP 2015

自分一人でのアイディエーションなんて、所詮限界がある。
いつも予定調和になるのだ。一人だとはやいけど、たいして遠くにはいけっこない。
ユーザー、ステークホルダー、いろんな立場の人の気持ちがみんなわかるわけでもない。
だから越境して、相手の立場を理解し、思いや声をひきだすのがデザインの第一歩になるんじゃないかなと思ってる。

そして、思いや声、考えといった見えないものを見える化していく。
この「見える化」の段階でディレクターとして一番大事なのは、自分の意見をその中でひからせるスキルではない。
よいアイディアを多くのメンバーからひきだし、その見える化自体をつかさどることだ。

『考えを可視化したものを、現実のデザインに具現化する力』

次に求められるのは『考えを可視化したものを、現実のデザインに具現化する力』。
これがないと、絵に書いた餅ビジョンを掲げる人にしかならないので。。
具現化したと認めてもらうには、最低でも情報設計(IA)の技術が必要なんだろうなーと思ってる。

・子供のアイデアはそのままつかえるわけではなく、そのイメージを具体化・精緻化するのはプロのデザイナーの仕事。大人にはない発想を取り入れるために計画的に巻き込んでいる。
子供と一緒にデザインする方法 Kamihira_log in Copenhagen

この具体化・精緻化するための理想はフルスタックデザイナー。
情報設計もグラフィックデザインもマークアップもエンジニアリングもなんでもござれ状態になると無敵かと。

任せられる部分は人にまかせるのもありだけど。
任せる部分が多い=ある種の信頼とコミュニケーションにかける力、プロがいる前提が必要にはなるので、制約がでてくるのも事実だというのは肝に銘じるべきだと思う。
自分の技術とコミュニケーション能力と信頼貯金から判断して、何のスキルを磨いていくべきか、活躍できる場はどんなところか考えるといいのかもしれない。

『可視化したものを評価し伝える力』

実際にデザインができたら。実際に評価する力が求められる。
ここって評価する具体的な知識とか手法以上に、自分のデザインを壊す勇気が一番大事なんじゃないかとも思うのだ。
言いかえると、自分がベストだと思った案がベストじゃない、もっといいものがあるから壊して作りなおそうと評価できる勇気。

もうひとつ。「生きてるよ~成果でてるよ~」と数字で伝えていく力がもとめられると思う。
評価としてログ解析等ビジネスにいきる評価を行い、データをビジュアライズして、組織に伝えていく力だ。
この力は信頼貯金=生態系の中で他者からみた生命力を徐々に増やしていく行為に他ならない。

『続ける力』

そして最後に。
続ける、というのが一番必要なパワーなんじゃないかと思うのだ。
成果なんてそうすぐでやしないし、大きい変化を生態系に一気にもたらすことなんてできない。
1匹、また1匹というように、小さいひなを育てていく力が必要だ。

一つの生態系に変化をもたらすことがどれだけ大変かは、NHKスペシャルの「小笠原の海にはばたけ ~アホウドリ移住計画~」を見てると実感する。

そんな絶滅の危機に瀕したアホウドリを人の手で復活させようという計画が、8年の歳月を経て、今年、ついに成功のゴールにたどり着いた。「アホウドリ移住プロジェクト」。
主な繁殖地、伊豆諸島の鳥島が噴火の危険があるため、350キロも離れた小笠原諸島の無人島に、安全な繁殖地を新たに作ろうという壮大な計画だ。
まずは生まれたばかりのヒナを小笠原に移し、人の手で育てて巣立たせる。ヒナは成長後、育った場所に帰って繁殖する習性があるので、新天地で結婚と二世誕生までこぎつければ、あとはアホウドリ自らの力で継続的に繁殖できるようになるはず、という計画だ。
前例のない試みのため、ヒナのエサやりひとつにも苦労の連続。研究者たちは様々な困難にぶつかりながら手さぐりで試行錯誤を続け、今年ようやく、人工飼育したアホウドリが2世を誕生させたことが確認された。
小笠原の海にはばたけ ~アホウドリ移住計画~

アホウドリの移住。
ただ移住するだけなら、かたっぱしからアホウドリをつかまえて、別の島へうつせばいだけだけど。
アホウドリは生まれた島に帰ってくる習性をもつので、ある一時期だけ島にいる鳥をうつしても、またすぐにアホウドリは島へかえってきてしまうため、何も問題は解決しない。
ひなを別の島へ引っ越しさせて、その島でひなをそだてて、数年後うまれた島へかえってくることをまち、またそこで新たなひながうまれ育つのをまつ・・・という長期的な計画が必要となる。

その長さ、8年。
ただただ頭が下がる思いだ。

本当に生態系を変えたい、て思うなら。
長期戦は覚悟しなければいけないし、まずはじめるのは小さいところからだ。
webデザインの現場なら私はだんぜんユーザーテストから開始をおすすめ!
成功したら生存を伝え続けるし、失敗しても「失敗したけどこんな学びがあったから次にこういかせるぞ」と次へいかす。

この明日を作る小さいくりかえしこそが、生態系に新たな影響を及ぼしていくんだと思う。

—–

正直、自分が生きていくために生態系を変えるのって割にあわないかもしれない。
どうやっても変わらない、変わろうとしない生態系だってあるだろうし。
だとしたら生きやすい生態系に移動する=転職するっていうのも十分ありなんじゃないかなとも思う。

どんな組織が変化を受け入れず滅びゆく生態系となってしまうのか、をもう少し深掘りたいので。
終戦70年目だし、8月なので次は『失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)』読んでみる予定。

私は今の自分がいる生態系=会社がなんだかんだいって好きなんだと思う。
信頼できるバディ的な同僚がいること、尊敬できるエンジニアがいること、挑戦させてもらえる環境を上司にたくさんつくってもらってこられたこと。
今同じ生態系にいるメンバーも、これから生態系に移動してくるメンバーにも、住みやすい世界にしたいなと思う。

※補足 アホウドリの写真は以下より引用。鳥さんかわいい。
http://free-photos.gatag.net/2014/09/21/140000.html
著作者:JJ Harrison

裸になって、助けて、助けられての繰り返し

img_150726「バディを信頼しているか?」

先日、Devlove関西でのグラフィックレコーディングワークショップが終わった後の恒例・感想戦。
Devlove中村さんと、一緒にワークショップを進めてた増山さん、アドバイザー三澤さんとそんな話になった。

バディという言葉は、映画『海猿』できいたことがある人もいると思う。
時に死と隣り合わせという職務上、潜水士が二人一組で常に行動しあうパートナーという意味。

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「グラフィックレコーディングをやってみよう!ワークショップ」レポートと、グラレコ勉強会の即興性

img_cap_1506206月20日に、リクルートホールディングス本社にて、「グラフィックレコーディングをやってみよう!ワークショップ」を開催しました。

応募開始から1日で満席、キャンセル待ちが続くという大盛況ぶり。
増席したい気持ちは山々だったのですが。
ワークショップの内容上、参加者の方にケアが必要なため増席は厳しく・・・・。
「また開催しよう!」とグラフィックレコーディング勉強会スタッフ一同考え企画をはじめているので、またぜひご期待いただければと思います。

そんなわけで当日のレポート。
詳細はこちら

デザインの現場でUXデザインやるなら、まずユーザーテスト(=「評価する」)からはじめるといい理由

img_150626「UXデザインを会社のデザインの現場でやるにはどうすればいい?」
私自身、そんな疑問になんどもぶちあたりし、何度も何度も仲間と話し合ってきたこの問い。

『「調べる→企画する→解決策作成→評価する」って進めると失敗しやすくて。
「評価する→ 解決策作成&評価する → 企画する&解決策作成&評価する → 調べる&企画する&解決策作成&評価する」というような、人間中心設計のサイクル逆回転からスタートしていくのがいい!というのがよくいわれる答えだ。

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私はもともと「評価する(ユーザーテスト)」から全てをはじめて、意図せず逆回転を社内でまわしていったクチなのだけど。
最近自分の案件で「調べる→企画する→解決策作成→評価する」という順当な流れをやってみたところ、いろんな壁にあたるなーと感じることが多かった。
面白かったのは、逆回転からはじめた人ほど、順当な回転をまわすのがはやかったことだ。
「評価する」プロセスから逆回転をしていくのがなぜ大事か?というの、あらためて考えるきっかけになった。

「評価する」プロセスからはじめるといい理由

理由は以下。

  • 現場のUIデザインのプロセスにいれやすい
  • ユーザーテストからのユーザビリティの改善は、合意形成しやすいし&数字で効果を語りやすい
  • UXデザインに超大事な、観察する態度が身につく

現場のUIデザインのプロセスにいれやすい

既にリリースしているサービスに対して、さらにチューニングをしていくのはよくある話だ。
そのチューニングにあわせて、5人程度の(比較的ユーザー像に近い人をさそって)ざっとテストして課題を洗い出すというのは現場としてすごくやりやすい。
お金も時間もさほどかからないから。

えてしてUXデザインのプロセスで問題になるのがお金と時間だ。
調査にはお金も時間もかかる。現場で効果がみえるかどうかわからないところに「お金をください」というのは決済おりづらいし、ましてやプロジェクトにおいて十分な時間をさいてもらえることなんてなかなかない。

あるとしたら、UXデザインに相当な価値をおいている組織か、相当な社内信頼貯金を持っている人がいったときのみ。
まあえてしてそんな環境にはないので、現場でまずやれることとして、ユーザーテストって工数的に現実的なのかなーと思うのだ。
「自分たちでも現場でまずやってみようと思える」というのは、着手するのにすごく大事な要素だ。

ユーザーテストからのユーザビリティの改善は、合意形成しやすいし&数字で効果を語りやすい

そして二個目。
ユーザーテストに基づいたユーザビリティの改善は、チームの間でも施策立案しやすいし、改善した場合の期待効果も見えやすいと思う。

チームのメンバーがユーザーが実際に利用している状況を見ることで「こんな使われ方をしてるなんて!」という衝撃を受けることができる。
自分中心デザインでUIデザインを考えていた人であればあるほど、その衝撃はでかいんだけども。
「自分の考えたイケてるデザイン」に固執するのではなく、ユーザーの行動見ないとやばい、ということが肌で感じられるのだ。
百聞は一見にしかず。

また、ユーザーテストででてきた問題を効果・効率・満足度×発生頻度での課題整理し、ビジネス的なインパクト度合いや実現難易度で整理したら、やるべきことの優先順位はクリアに見えてくる。
その優先順位で実装すると、KPIの数字も上がることが非常に多い。
あてずっぽうでやるより上がる確率がぐっとあがるのだ。

こうして数字で成果を語ると、「UXデザイン(の一部のユーザーテスト)って効果あるんだね」「ユーザーを見ることって大事なんだね」というチーム内の空気が生まれる。
この効能感こそ、チームを動かす原動力になる。

UXデザインに超大事な、観察する態度が身につく

そして三個目。
ユーザーテストが産む効能として、もうひとつチームを動かす原動力になるのがあって。
それはユーザーを観察する態度だ。

ユーザーテストをしていると、観察者はユーザーの一挙一動、思考発話をつぶさに観察するようになる。
ユーザーがとった行動に対して、「なんでこのユーザーは、こんなことをしたんだろう?」「なんでこのユーザーは、ここでこんんなことを思ったんだろう?」という問いを抱くようになるのだ。
そして、そのなぜなぜを繰り返し、その粒度はどんどん細かくなる。

例えば、自分の会社の場合。
「ユーザーは、このホテルがいいと思って選んだ」という行動があったとする。

Q:このホテルをなぜいいと思ったか?
A:駅から近くて、部屋もきれいなのでコストパフォーマンスがいいと思った。
Q:『駅から近い』ってユーザーにとってどんなことを指す?『部屋がきれい』ってユーザーにとってどんなことを指す?
A:駅から近い=スーツケースをもって徒歩で移動できる範囲。つまり、坂道や人が多すぎる繁華街、治安が良くないところ、スーツケースをひけない石畳の道は、駅から近くてもちょっと選ぶのに気が引ける。部屋がきれいは、水回りとベッドに注目している。
Q:『水回りとベッドに注目』する理由は?
A:基本ショッピングやライブに出かけるしそっちにお金を使うので、ホテルはお風呂に入って寝る場所という位置づけ。カビが生えてないとかお湯がでるとか、最低限清潔に利用できればいい。ホテルにかける価格的な優先順位は低く、部屋が狭いとか、窓からの景色がシティービューなのは問題ない。
Q:『最低限清潔』を何でジャッジするか?
A:ホテルの部屋の写真。水まわりの写真は必ず確認する。
Q:なぜ写真がいいのか?
A:設備の有無のテキストだけだと、水回りのきれいさは絶対にわからない。
過去に安い宿で水回りが汚く、シャワーカーテンにカビがはえてたホテルにとまったことがあり、そんなホテルにはもう泊まりたくないという気持ちが強い。

「ホテルをいいと思う」という裏には、ユーザーの過去の経験が学びがたくさん詰まっている。
たいてい、皆一個目の質問「このホテルをなぜいいと思ったか?」はきけるんだけど。
「駅から近くて、部屋もきれいなのでコストパフォーマンスがいい」を掘れる人は少ないと思う。
多くの人は、駅から近い・部屋がきれいで思考停止してしまう。
その結果、駅から近い=近ければ近いほどいい?とか、部屋がきれい=ゴージャスな設備?とかかってなイメージをふくらませてしまうのだ。

ユーザーは「駅から近い」ホテルを選ぶのに、駅からのメートルを測らない。
地図上で駅とホテルの位置をざっと見た後、ホテルの住所や駅名、近くのショッピングセンター名で検索して、写真や文章を読み込み、その周辺の何かの情報を仕入れようとするのだ。
ユーザーテストでモデレーターをやってみると、こうしたユーザーの連続した行動をたくさん目にすることができる。
だから、ユーザーにとっての「駅から近い」が、具体的な距離ではないことに自ずと気がつける。

ユーザーテストは、利用中である一時的UXのさらにほんの一部のみ見る行為だ。
その一部のみでも相当深く、ユーザーの過去の経験に紐づいているというのを知ることで、「ユーザーの行動と思考は、自分の推測を超える」ということ、そして観察の重要さを身をもって学ぶことができるのだと思う。

———————–

この観察の力を持っている人が構造化シナリオ法でのアクティビティシナリオ(「もの」ではなく「コト」のシナリオ)を書くと。
最初はとまどっていたとしても、すごくチームメンバーの共感をよぶシナリオをかけるんだなーと最近気がついた。
その共感を呼びおこすものは、ストーリーの核をなす具体性の連続だ。
この具体性の連続からユーザーのコトにつなげて発見していける力をもつ人って、サービスをつくっていくのに強い力となるんじゃないかなと思う。

ちなみに、受託系デザイン制作会社の人と話すと、「プラグマティックペルソナ死んだ話」をすごくよくきく。
受託だとプラグマティックペルソナ立てる→ジャーニーマップを書く→シナリオ書く、って、クライアントとの合意形成のためという側面が非常に強いから。

プラグマティックペルソナは声が強い人にひっぱられやすいし、ジャーニーマップはご都合主義になりやすい。
シナリオは共感重視というより、「ユーザーがこの流れでこのモノに触るのがあるべき姿です」という、機能と機能を無理やりつなぐ何かにしかならない。

結果、ペルソナとシナリオが何も制作物に投影されない「ペルソナ作ってそれからどうするの?」状態に本当によくなるのだ。
私も受託制作会社で経験済み。
プラグマティックペルソナだって、ユーザーに近づけるよう育てていけばいいんだけど。継続して関わらないとプラグマティックペルソナを育てていくのって難しいのかな~と思う。

なにはともあれ。
UXデザインのプロセスぐるぐるがまわりはじめたとはいえ、ユーザーテストは継続して、チームでやっていく必要があるなと痛感。
特にUXデザインを学び始めた人の入り口としても、ユーザーテストはすごくいいきっかけになると思う。

HCD-Netフォーラム2015「キーワードに学ぶHCD」 ~初心者・初学者のための人間中心設計~

img_150531HCD-Netフォーラム2015の「初心者・初学者のためのHCD:キーワードに学ぶHCD」でグラフィックレコーディングをやってきました。
業務でHCD(人間中心設計)とかUXデザインとか呼ばれる分野やってると、「どう社内に伝えていく?」というのが一つの課題になっていきます。
社内で導入や教育をしていくにあたり、どう考えていけばいいのか?というヒントをいただけたいい機会となりました。

詳細はこちら

社内でのOJT、ワークショップ等で『教える』をデザインするコツ

img_top150517産技大人間中心デザイン履修証明の単位も無事にとれ『教わる』機会がひと段落したところ。
春になって以降は社内でのOJT、社外ワークショップ、研修等で『教える』機会がぐっとふえてきました。

デザイン、グラフィックレコーディング、ジャムセッション、スティールパン、料理。
『教わる』機会をたくさんいただいた結果、『教える』についても「先生からこう教わると、楽しくてつづいたなあ!」という蓄積が自分の中にできてきました。
根底にあるのは芸事を極めるための手法としての『守破離』。
でも、今後自分が『教える』立場でプログラムをどうすべきか考える時、『守破離』を自分のことばにおとしてみようと思いました。

※補足
これは「まったくやる気のない人のやる気をマイナスからゼロに」という感じではないなーと思います。
態度が受動的ではなく、能動的に「やりたいなあ!」と思った人が、楽しく続けられて、育っていくための手法です。

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可視化できないことの中にある大切なものに、人は心を動かされる

img_150503いいたいことはタイトルのとおり。
可視化できないことの中にある大切なもの=予測不可能な、人と人との間にうまれる生命のような奇跡に、人は心を動かされる。

第16回情報デザインフォーラム「つくるをつくる」にてグラフィックレコーディングをしたところ、いろいろな方からの面白い示唆をいただくことができました。
また、今日(5/2)ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」2015で渋さ知らズオーケストラを見て、共通する思いっきり大事なことが含まれていたように思ったので、まとめてみようと思いました。

詳細はこちら

第16回情報デザインフォーラム 『「つくる」を「つくる」』に参加してきた

img_150430第16回情報デザインフォーラム 『「つくる」を「つくる」』 に参加してきました。
最近は自分が学びたいテーマのイベントの多くでグラフィックレコーディングをする機会をいただくことが増え、非常にありがたいなーと思っています。

特に今回気になってたのはこのへん。

Design Sprint や LeanUX によって「早くつくる」ことがひとり歩きしてしまっておりますが、それによって軽視されるユーザー視点の導入の重要性を改めて再確認し、ディスカッションに繋げられればと思っています。
第16回情報デザインフォーラムより引用

「早くつくる」は悪いことでは決してないけど。
その中でも決して忘れてはいけない、のこすべきエッセンスはなんだろう?というお話でした。

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京都と大阪でUXデザイン他流試合をしてきた

IMG_20150418_185652浅野智先生の引率で、産業技術大学院大学人間中心設計履修証明プログラムの仲間たちと卒業旅行にいってきました。
卒業旅行とはいうものの。
お土産を買う時間すらほとんどないくらい、旅程3日間、みっちり予定がつまっていました。

1日目はSoft Deviceのラボ見学、2日目はyahoo大阪とエスノグラフィワークショップ、3日目ははてなでのUX KYOTO LT大会。
行程について話すと、「それ旅行じゃない、勉強合宿だ」「ストイックすぎる・・・」と周囲の人にはいわれました。

この旅行に参加するため、会社での重要なイベントをお休みさせてもらったこともあるので。
自分の組織に何をどうもちかえるべきか、整理したくなったので旅行記(?)を書こうと思います。
詳細はこちら

『UI Crunch #4 ロンドンからustwoが来日!「コラボレーション文化の作り方」 』に参加して、現場チームのぐるぐるもやもやについて考えた。 #uicrunch

img_150415現場が言語化できない停滞感に包まれている気がした。
大きいサービスをリリースしたし、山をこえた感触はあるんだけど。
超えた先にあると思った『今までと違ってみえる景色』がない。
わくわくしない。

私、そして私たちのチームは、何を超えるべきなんだろう?
今、そんなぐるぐる・もやもやの真っただ中にいる。

ぐるぐる・もやもやの中にいるときには、『誰かと会って話すこと』がすごく私はヒントになると思ってる。
自分の直感に従って、会いたい人にあって、ぐるぐるもやもやを言語化・可視化していくのだ。
するとたいてい何かがつながって、次にすべきことが見えていくかんじ。

というわけで、そんなぐるぐるもやもや期のアクションとして、『UI Crunch #4 ロンドンからustwoが来日!「コラボレーション文化の作り方」 』に参加してきました。
詳細はこちら

グラフィックレコーディングの練習法と活用法

img_grrc4/11(土)には『LEAN UX Japan Conference 2015』、4/12(日)には『第11回Brigadeワークショップ「Brigadeイベントにすぐに役立つ!グラレコで合意形成を加速せよ」』でグラフィックレコーダーとして参加してきました。

グラフィックレコーディングをやっていく中で、グラフィックレコーディングの練習法と活用法について「うおおお!」という気づきがありました。
いずれもグラフィックレコーディング勉強会の仲間と一緒に活動する中だからこそ気づけたものです。

詳細はこちら

女性が仕事の場で、テーブルに着き続けるということ

img_15040630代の転職の難しさをぼやきまくって、生き残るためになにをすべき?ってこと考えているくせに。
上長達と話してて、自分自身、仕事に対して『テーブルに着き続ける』ことをあきらめてた側面があるんだと気づかされた。

「azumiは、そろそろ飽きてきたでしょ?」と指摘されたのだ。
しかも、信頼する上長複数から。

それは、指摘されるまで、無意識にあきらめていた部分。
自分では相応にガツガツしてたつもりだから、余計に衝撃をうけてしまった。

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30代以降のwebデザイナーの転職の難しさについて語る

img_150329「事業会社でwebデザインできるデザイナーって少なくない?!30代なんてほんと少ない!!」
デザイナーの友人と飲み会にて、ふとそんな話になった。

私はwebデザイナーではないけど、採用にも関わってる中でデザイナー採用の難しさは感じてるし、勉強会とかであった他社の人からも同じような声をきく。
でも、転職したいといって転職活動をしている30代のwebデザイナーが多いということも肌感で感じている。この状況ってなんなんだろう?と思いぐるぐる文章をまとめてみた。
※あくまで私の周囲の観測範囲内の話、という点ご了承ください。

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情報の視覚化とエンパワーメント~グラフィックレコーディングとグラフィックファシリテーション

10940415_1543915892531253_4796256665745083247_nここ一週間、情報の視覚化にどっぷり漬かっております。
2月末に立正大学熊谷キャンパスで、グラグリッド三澤直加さんの講演・ワークショップ『描きながら考える会議』でグラフィックレコーダー&ファシリテーターとして参加。
2/28(土)には、産業技術大学院大学人間中心デザイン履修証明プログラム最後の授業にて、7時間くらいグラフィックレコーディングを描きまくっていました。
翌3/1(日)には仲間と立ち上げたグラフィックレコーディング勉強会、『グラフィックレコーディングをやってみよう!ワークショップ』にて全体ファシリテートを務めさせていただきました。

イベントの総括は会社のほうのブログでやるので。
この一週間で、情報を視覚化することについて特に考えたことがいくつか書いていこうと思います。
詳細はこちら

webデザインの現場でこう使ってます。グラフィックレコーディング・リアルタイムドキュメンテーション・ファシリテーショングラフィック

img_gr_150123ただいま有志で、グラフィックレコーディングのワークショップを企画しています。
過去3回のワークショップを経て、近々オープンな場でのワークショップ開催のお知らせをだせそうな状況なのですが。

ワークショップ内容を省察するたびに、自分にとっての「グラフィックレコーディング」「リアルタイムドキュメンテーション」「ファシリテーショングラフィック」ってなんなんだろうなって考えているので、いったんアウトプットしてみようと思いブログを書くことにしました。

「ビジュアルによる可視化」をやってるわけ

短期記憶が弱い自分が理解をするため

グラフィックレコーディング・リアルタイムドキュメンテーション・ファシリテーショングラフィックにせよ。
私は常に「短期記憶が弱い自分でも何かを理解するために、まずは自分が把握できるようビジュアルによる可視化をする→それを何度も見直していって体にたたきこむ」漫画書くになったので自然と絵を書く頻度が減っていき、美大にいくような画力は身につけることなく、高校時代を迎えました。

予備校の世界史の先生が教えてくれた、構造化と反復学習の大事さ

グラフィックレコーディングぽいことをしはじめたのは、高校3年生、まさに受験生の頃です。
高校2年生の冬、サミュエル・ハンティントンの『文明の衝突』を読んで、政治にがぜん興味がわいた結果。私は理系志望(作業療法士等考えてた)→文系志望に転向してしまいました。
文明を生み出した歴史、その文明の境界で衝突が起きている、という論にとても影響をうけたので、世界のことを知りたい→当然受験社会系科目は世界史に。

で、まっていたのは怒涛の暗記です。
志望校は超オタク・重箱の隅をつつくような世界史出題で有名な難関校。
理系から転向して2年生終わりから受験勉強をはじめた身に、大量の世界史暗記が重くのしかかりました。
短期記憶が人より脆弱な私にとってその暗記量は辛く、案の定予備校授業で赤点連発。チューターさんのすすめもあり、クラスを落とすことになりました。

そこで出会った先生が、こういったのです。
「僕は1日の授業でプリント4枚分(ノート見開き2つ分)進める。翌週テストするから、毎日このプリントをはったノートをながめなさい。」
「問題を解いたら、間違えたとこや追加のポイントをどんどんこのノートに書き込んでいきなさい。絶対に覚えられるから。」
と。。

img_worldh_150123

先生のプリントは、とても見やすいものでした。

  • 世界史のストーリーが矢印で明確に示されている
  • 中の文章も簡潔で、長文ではないリスト形式や表が中心
  • 何と何がつながっている、という情報が伝えてくれる
  • その出来事の背景にある意味を伝えて、出来事と出来事をつなげてくれる
  • 重要度(世界史受験で「日東駒専レベル」=ピンク線(事象)・オレンジ線(人名)まで覚える 「MARCHレベル」=青線まで覚える 「国立早慶上智レベル」=緑まで覚える )も分けており、志望校別に何を覚えるべきか、が明示されている

構造がはっきり見えて、毎日しかもそれを眺めるので、自ずとまず要素の『位置』が頭に入ってくるのです。
国民公会の次は、ヴァルミーの戦いか、とか。
次に、ノートの上部には国民公会、真ん中くらいに対仏大同盟、ページ下部にジャコパン派の恐怖政治がある、と思いだせるようになります。
そして、ある日ふと、全てが繋がってストーリーが頭のなかにわきでるようになるのです。

フランス史上初の男子普通選挙がおこなわれ、国民公会が成立した。共和政が開始したことで、他国は警戒。まずプロイセンと戦うこととなるが、ヴァルミーの戦いで勝利する。このときプロイセン軍にいたゲーテが『ここから、そしてこの日から、世界史の新しい時代が始まる』と言う。

次にルイ16世が処刑されることで、他国の警戒はますますつのり、イギリス小ビットにより対仏大同盟が組まれる。内には王党派の反乱、外には対仏大同盟、フランス大ピンチ!

このピンチから国を救うよう、ロペスピエールを中心にジャコパン派独裁が生まれる。1793年憲法を皮切りに、封建的特権の無償廃止、キリスト教の廃止を行い、政教一致の旧体制を壊そうとしていく。

この自分のノートとストーリーが頭の中に入ると、世界史の問題が一気に解けるようになりました。
偏差値も上がり、数値的成果もでたことで。
「自分にはこのやり方があっていたんだ!」という確信を得ました。
その後(悪名高い)AO入試で運よく第一志望入学が決まったため、結局受験に世界史は使わなかったのですが・・・親に頼みこんで、予備校のこの先生の世界史授業は最後まで受け続けました。

この先生の『全ての情報がまとまって構造化されたノートを、必要なときに常に反復して見返す』という姿勢が、私のその後の仕事・学習態度に大きく影響しています。

webデザインの現場でこうつかってます例

ビジュアルによる可視化の分類と、仕事での実務

ビジュアルによる可視化の分類は、グラグリッド三澤さんのスライドがとてもわかりやすいなーと思うので引用します。

このうち、私が実務で使っているのはこんなかんじ。

faci

私はファシリテーションにがっつり入りこむことも多いのが特徴。
ファシリテーションに入った時は絵をかくより合意形成に意識がむくので、リッチなグラフィックを書くことはほとんどなく、構造化メイン・テキスト中心となります。

1:ユーザーインタビュー用記録用カスタマージャーニーマップ

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利用用途
ユーザーインタビュー用記録用としての、カスタマージャーニーマップ(As Is)
利用するもの
紙:A3用紙 ペン:ジェットストリームプロ0.7mm黒
分類
スケッチノート 表現力×記録重視

ユーザーインタビューの記録に、私は記録担当として入ってグラフィックレコーディングを用いています。
テープおこしをすると、インタビュー時間の2倍は時間が必要です。
1時間のインタビュー→2時間の書き起こしをしてると実務がまわらないので、グラフィックレコーディングで対処しているという状況です。実業務における時間圧縮まじ大事。

インタビュー開始中はがりがり書いて、エピソード同士をつなげます。
インタビュー中も記録してるので、ユーザーの旅のうちどこのエピソードが薄いのかがわかるので、最後にいくつか自分でも質問し、空白を埋めています。
このとき、聴き逃して書ききれなかった項目も質問。
おまけの5分くらいで俯瞰し「このユーザーは通しで何が言いたかったのだろう?」を構造化していきます。
ここでかいたグラフィックレコーディングをスキャンし、AS ISのカスタマージャーニーマップ完成。

その後1枚のグラレコカスタマージャーニーマップ紙を原文とし、分析を行います。
絵が中心なので直感的にユーザーの体験を理解できるし、みやすくて振り返りがすぐにできるので、重要事項の抜き出しがとっても楽になります。

ただ、書くときは相当の集中力が必要なので、一日ぶっ通しでやるとへろへろになります。
あと、ペンのインクのへりもはんぱない。
途中で愛用ペンのジェットストリームが切れると絶望的な気持ちになります。
ジェットストリームのなめらかさは、スケッチノートにかかせません。

※なお、このパターンのグラフィックレコーディングは社外秘のためだせませんでしたが。
写真のもののように、グラフィックレコーディングして模造紙にはっていく、というカスタマージャーニーマップも産技大でつくったのであげています。

※カスタマージャーニーマップ(tobe)、構造化シナリオ法のうちのアクティビティシナリオ(価値を達成するための『体験』のシナリオ、UIとかの言及はなし。)を伝えるのにも同じようなものをかいていますが。
個人的に、漫画を書くと特にストーリーをうみだしやすいなーと思っています。
マンガ(つながる絵)をかくことで、主人公がどんな利用状況にいて、どんなことを見て判断して、どんな感情となるのか…を統合して考え、チームメンバーに伝えるきっかけとなるので。

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2:業務用記録ノート

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利用用途
業務用記録ノート
利用するもの
紙:スイングロジカルノート(A4大) ペン:ジェットストリームプロ0.7mm黒
分類
スケッチノート、リアルタイムドキュメンテーション 文脈×記録重視

世界史ノートの思想が直接受け継がれたのがこのノート。
『全ての情報がまとまって構造化されたノートを、必要なときに常に反復して見返す』、そして業務を深く理解するために使います。

このスケッチノートに使うのは必ずスイングロジカルノート。
私のスイングロジカルノート愛は「お仕事での情報整理の救世主様、スイングロジカルノートを崇め奉る」という記事で語っています。

スケッチノートの便利なとこは、ノートをコピーすれば社内教育や引き継ぎに用いれる点。
グラフィックの量は多くはないですが、ある程度構造化してあるので、それみながらしゃべると伝わりやすいなーと思います。

※ちなみに、この写真のノートは産技大人間中心デザインの授業のノートです。
業務ノートはここまで情報つめきってはいない・・かな。

3:プロトタイプ+要件定義

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利用用途
プロトタイプを用いた要件定義
利用するもの
紙:模造紙+プロトタイプを書いたもの ペン:プロッキー黒・赤 他:付箋
分類
ファシリテーショングラフィック、リアルタイムドキュメンテーション 文脈・表現×伝達重視

プロトタイプをたたき台に、皆の要件に対する発想を広げたり、収束させたり、合意形成していく場において使います。
以前はプロトタイプを人数分コピーして、会議でしゃべって伝達してたのですが。
「あそこの価格をここの価格表にもいれてほしい」とか、thatとかthisが多すぎになるのです。
しかも空中戦。みんな考えるのがめんどくさくなってきがちです。

最近関わった案件では、要件定義に関する合意形成を超短期で実施せねばならず。
印刷して会議で空中戦やって…てのがめんどくさかったので、プロトタイプを模造紙にはりだし、皆の意見を付箋に書きこんでプロトタイプの横にはって意見をだしあいました。
リアルタイムドキュメンテーションやってファシリテーションもしたところ。
一気に合意形成が進みました。

また、その張り出した模造紙を写真にとれば議事録もできるので、とってもらくちん。
反面、海外でのオフショア開発の人とこれをやるのは難しく、半ば納期に間に合わせるために強引にやって写真をおくったりしましたが・・・たぶん相手を困惑させてしまったかなと思っています。反省。

4:会議での合意形成

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利用用途
会議での合意形成
利用するもの
ホワイトボード ペン:ホワイトボードマーカー
分類
ファシリテーショングラフィック 文脈×伝達重視

合意形成が必要な会議で空中戦になってくると、ホワイトボードにのりだして議論の流れを書きます。
上長がいようがいまいが、自分がわからなくなりそうだったら即書きます。
会議室のホワイトボードで「おばけ退治」をしている話でもふれたのだけど、「板書」の技術は会議の質を上げる上で本当に大事だと思うのです。

日本の会議で意外にないがしろにされているのが、議論のポイントを皆に読めるように大きく書き留めていく「板書」の技術だ。せっかくでてきたアイデアや議論の核を、ただ話っぱなしにしたり、書記や出席者が自分のノートにメモをとるだけでなく、皆野目の前に皆が読める形で大きく書き留めていくことは、議論の無用な繰り返しがへり、きちんと積み重なっていくためにも大切なことだ。
中野民夫 ワークショップ―新しい学びと創造の場 (岩波新書)

板書だけ書くということは少ないです。
たいてい自分が進行役をすることが多く、議論を進めることに集中するため、グラフィックへさく時間は自ずと少なくなります。
ファシリテーショングラフィックで、さくっと書けるテキストメイン、議論を構造化していくのが中心。
で、ホワイトボードを写真でとって参加者へ共有すれば、それが議事録になるので超便利です。

大事なこと:ビジュアル化することで、ストーリー(流れ)を、自分の言葉で語れるようになること

どのシーンにおいても大事なのは、「ビジュアル化することで、自分の言葉でストーリーを語れるようになること」だと考えています。
受験のノートなり、仕事のホワイトボードも全て同じで。
それをみながら「このときの合意形成はこういう流れで、こういう理由があって、こう決まった。」と自分が自分の言葉で説明できるようになるのが大事。

ぶっちゃけると、「構造化」はあまり理解してなくてもできてしまうのです。(用語すらわからない、超専門領域の議論はさすがに無理ですが・・・)
山岸ひとみさんがその点を指摘しています。

理解のためのデザインを瞬間的に行っているのが、個人的にいちばん感心する点。IA業務などをしている人は、じっくり時間をかけて同じことをする。それを瞬発力でこなしていく感じ。実は本人が内容について理解していなくても成り立つのが面白いところで、理解はしていなくてもキュレーションはできる。その感覚もすごい。
その仕事、蠍は留守です「グラフィックレコーディングとリアルタイムドキュメンテーション」

私もこの感覚はわかり、実は最初に『聴く』段階では話の半分も理解できていません。
プレゼンや会議なら『論点、論拠(エピソード)、意見』、ブレストなら『アイディア、(直感的な)感想』、自己紹介なら『その人のエピソードA、エピソードB』とか、「今何をいっているんだろう?」でまずは書きわけます。
同じ話がでてくることはよくあるので、同じ話は同じところにどんどんつけ足していきます。

その後、すきまでいったんすべて書いたものをみなおして、一点一点の理解をおこなったうえで、「この人はココまで何がいいたかったんだろう?」と考えます。
矢印書いてつなげたり、反発しあわせたり。
この構造化をすることで、議論や人の全容がだんだん浮かび上がってくるんです。ほんと不思議なんだけど。
この感覚はKJ法のそれに近いです。

KJ法の利点
・俯瞰していくことで、個別の事象への視点だけれは導けないような、包括的な視点で発見ができる(とされる)
・先入観、偏見を排して、新たな視点からの発見や問題解決策を導き出すことができる(とされる)
発想ファシリテーション論(3:KJ法) -産業技術大学院大学 「人間中心デザイン」

KJ法の「7:図解化、8:叙述化」の過程を、一人でやっていると考えるという状態。
ビジュアル化して「この人はココまで何がいいたかったんだろう?」と考え続け、つなげていくことが、『概念を整理してみた結果のつながりを見つけ、たりない何かを発見する』ことに繋がるのです。

ただ全てを書きだすだけはそう難しいことではありません。
聴いたことを分けて、つなげ、ストーリーを生み出し、「自分はこの議論をこうとらえた」と書ききることが、デザインの現場におけるビジュアル化においては一番大事なんじゃないかな、と思うのです。

だから私は、見えないものをビジュアル化するときは「自分はこうとらえた」って説明できることをひとつの品質としています。
自分が説明できそうにないなと感じた部分は、後からでもスピーカーに聞いて、理解できるまで書ききります。
自分が語れないストーリーを他人に伝えても、「意味がわからない」「ここってどうなの?」といつか言われ、答えに窮してやりなおすのがオチなので。
考え抜いてないことは、必ず人に伝わります。

自分がストーリーを語れるように考え抜いてこそ、プロジェクトでのメンバーの納得度や参加意欲が増し、ビジュアル化は真の力を発揮するのだと思います。

ビジュアル化による、デザインの現場で得られるメリット

現場でビジュアル化をやってると、だいたいこんな流れが会議等の現場では生まれるな、と感じています。

  1. 自分がだした意見が書きだされることにより、参加している安心感が生まれる
  2. 他者の思考、議論の流れがビジュアル化されてることで、理解が促され、参加者も議論に入りやすくなる
  3. 空中戦と比べ、議論の流れを理解をする工数(時間・脳みそリソース)が圧倒的減るので、おのずとその分の時間や労力は議論を前に進めることに使えるようになる
  4. 限られた時間において、メンバー間での発想や合意形成が容易になり、参加者の満足度・議論の質が上がる
  5. 終わったあとの振り返りも容易のため、参加者の議論内容への理解が深まる

「絵を書くのが下手だから…」て感じて気が引けてしまう方も、聴くこと・構造化はできるし、それだけでも板書の質・ひいては会議の質はぐんと上がると思います。
(もちろんこれから考えているワークショップは、絵が苦手な方でもトライできる「絵をかくこと」にもフォーカスをあてる予定!)

空中戦やらないで、どんどん手を動かして可視化して発想しよう。理解しあおう。
自分の、そして周囲のみんなのワクワクする現場づくりに、何か役立てるようになればいいなーとワークショップ設計しながら考えています。

納期中心デザイン・KPI中心デザインの現場で、UXデザイン(人間中心デザイン)をするということ

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UXデザインを学び始めると、転職したくなる。
UXデザイン関係の勉強会でお会いした方や、産業技術大学院大学人間中心デザイン履修証明プログラム(以下産技大)で学ぶ仲間、常に誰かしらから「転職しようと思う」という声をきく。

なぜ多くの人が「転職しよう」と思うのか。
それはUXデザインが組織論だから。
組織は簡単には変えられないって現場にいると痛烈に感じる瞬間があるから。

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【マンガ】旅行サービス開発のデザイン現場へ。種を持ち帰る『越境』の旅

この記事はDevLOVE AdventCalendar 2014 「越境」の4日目の記事です。
こんにちは。@azumiといいます。

自己紹介

  • 名前:azumi
  • 職種:旅行系ECのwebディレクター。サービス開発のUXデザインやUIデザイン、定量・定性調査にもとづいた施策立案・実施をやってます。
  • 越境につながる経歴:web制作会社受託のディレクター→転職して事業会社へ→現在会社もいきつつ、産業技術大学院大学「人間中心デザイン」履修証明プログラムでお勉強中です。

自分にとっての越境

勢いでかきました。コピックでのお絵かき楽しい。
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次の人へ

@a_suenami さん。ファクトリアルのエンジニアさんです!おたのしみに~★

HCDプロセス論 -産業技術大学院大学 「人間中心デザイン」

img_hcdptopだいぶ授業から時間がたってしまいましたが。
産業技術大学院大学、人間中心デザイン履修証明プログラムの復習レポ第8弾「HCDプロセス論」です。

HCDプロセス論は、その名の通り人間中心デザインのプロセスを学ぶ授業ですが。
手法を学ぶのではなく、その手法の背景にあるものが何なのか?についてを扱います。

「背景を知らないと手法におぼれてしまう」そう安藤先生はおっしゃっていました。
私たちが現場で、プロジェクトにあわせて「なぜその手法を選ぶのか」「どう活かすのか」考えるためにとても重要になってくるのだと思います。

HCDプロセス論
↑人間中心デザインのプロセス。
「ユーザー調査・分析」「ユーザー評価」の区分でプロセスをみていきます。

詳細はこちら

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